2014年5月24日土曜日

福井地裁「大飯原発」画期的勝訴判決

福井地裁が
「大飯原発は運転してはならない」と判決
―再稼働差し止め訴訟で


フクシマ後初の画期的勝訴判決―

 福井県内外の住民189人が開催電力大飯原発3、4号機の再稼働差し止めを求めた訴訟で、福井地裁(樋口英明裁判長)が5月21日、2基について「運転してはならない」と言い渡す画期的判決を下しました。この判決について自由法曹団北海道支部の今橋直弁護士(道原発連理事、泊廃炉訴訟弁護団)にコメントを寄せていただきました。

運転を認めない(差し止め)という結論も
その理由も「画期的」






-この理屈では、泊原発も全国の
すべての原発も稼働できないことになるでしょうー


 <今橋直弁護士がコメント>
 
 差し止め、という結論ももちろんですが、その内容(結論を導く理由)も「画期的」でした。
 その画期的、の一端を引用します。
  ・「(人格権という)根源的な権利が極めて広範に奪われるという事態を招く具体的な危険性が万が一でもあるのかが判断の対象とされるべきであり、福島原発事故の後において、この判断を避けることは裁判所に課された最も重要な責務を放棄するに等しいものと考えられる」
  ・「大飯原発には1260ガルを超える地震は来ないとの確実な科学的根拠に基づく想定は本来的に不可能である。」「この地震大国日本において、基準地震動(原発の耐震設計の基準となる地震の大きさ)を超える地震が大飯原発に到来しないというのは根拠のない楽観的見通しにすぎない」


  ・「被告(関西電力)は、大飯原発の稼働が電力供給の安定性、コストの低減につながると主張するが、当裁判所は、極めて多数の人の生存そのものにかかわる権利(人格権)と電気代の高い低いの問題等とを並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、法的には許されないことであると考えている。」
泊原発廃炉訴訟でも、今回の大飯訴訟と同様に、原発の存在が多くの人たちの人格権を侵害していることを主張し、基準地震動設定の不十分性が中心争点の一つになっています。大飯判決の理屈で行けば、泊でも廃炉(差し止め)判決が出ることになります。それどころか、全原発が稼働できないことになるでしょう。
今回の判決は、今まで「どうせ裁判所はわかってくれないだろう」と思われていたことを正面から認めている、という印象です。「裁判所は変わった」、と思わせる判決です。そして、裁判所が変わること、を背後で支えているのは、原発反対の世論です。今後も裁判所が「安心して」このような判決を出せるように、運動を継続していく必要があると強く感じました。


5・26チェルノブイリデー昼休み宣伝と
   川内原発・泊原発再稼働反対!


    6・1札幌連帯行動にご協力を!
〈5・26昼休み宣伝行動>
*日時  5月26日(月)12時15分~同45分
*場所  札幌駅北口駅前広場
<6・1札幌連帯行動>
*日時  6月1日(日)13時~同45分
*場所  札幌市大通公園西3丁目
 

   ( 原発連事務局FAX通信より )