2014年3月23日日曜日

原発問題連絡会ニュース 第246号 2014年3月20日

原発のない北海道の実現を求める全道100万人署名
 63万8666筆を道に提出 
         ~ さようなら原発道実行委員会 
よびかけ人3氏(小野有五、麻田信二、西尾正道)
             はじめ各団体から26氏

福島原発事故から3年の3月14日、昨年5月から取り組んできた「原発のない北海道の実現を求める全道100万人署名」を63万8666筆、道に提出しました。提出には呼びかけ人の小野有五北大名誉教授、麻田信二北海道生協連理事長(元副知事)、西尾正道国立北海道がんセンター病院名誉院長と各団体から26人が出席しました。道は、知事が上京中(三省堂有楽町店での「銀の匙」ブックフェア視察)だとし、加藤聡危機管理監と辻泰弘経済部長の対応にとどまりました(写真)。
100万人署名を渡す小野有五さん(2014年3月14日、道庁本館)















道民と北海道の存亡にかかわる問題
知事が直接受け取り道民の声を受け止めるべき 
                ― 小野有五さん

提出にあたって呼びかけ人の小野有五さんは、「この署名には60万人超える道民の思いが込められている。知事が直接受け取り、道民の声を真正面から受け止めるべきだ」「北海道の西端にある泊原発で事故が起きれば、全道が風下になり農業も観光もダメになる重大な問題だ。知事が廃炉を決断すべきだ」「大間原発は津軽海峡をはさんで30キロのところに函館市がある。すべてMOX燃料を使う危険なもの。知事が建設中止を働きかけるべきだ」「核のゴミは安全になるのに10万年かかる」「日本は地殻変動帯の真上にあり、どこにも地層処分できない。地震、津波の危険があり、地層処分は不可能なところだ」などと述べ、知事の決断を求めました。

泊原発の再稼働は、規制委が審査し国が判断すべき。
       再生エネは企業呼込みで ― 加藤危機管理監

これに対して道の加藤聡危機管理監は、100万人署名の4つの要請項目について、要旨以下のように道の見解を述べました。

泊原発については、3号機が40回以上審査を受けているが、地震や地下構造の問題、原子炉建屋内のスプレー管を二本にすべきとの指摘もあり、審査終了のめどは立っていない。国は、規制委で適合と判断された原発は地元の理解を得て再稼働させたいと言っているが、地元の理解と言っても法令上の根拠はない。国の判断でやってほしいーと国任せの態度でした。
大間原発については、2012年9月に国が、すでに許認可された原発は新増設にあたらないと言明、この直後に電源開発が、道にも函館市にも十分な説明もなく建設工事を再開した。大間原発の必要性や安全性、エネ政策上の位置づけについて、明らかにするよう求めていくーと述べるだけでした。
幌延を核のごみの最終処分場にしないという問題については、国が前面に立って処分場を決めると言っており、国が国民にきちんと説明してほしい、道は2000年の条例で核廃棄物は受け入れないとしており、これを順守するーと従来の見解を繰り返すだけでした。
また、再生可能エネルギーの普及については、北海道は自然の宝庫であり、企業を呼び込んで導入や技術開発を積極的に進めると述べ、地産地消は二の次で、大企業呼び込み型で進めることを強調する態度でした。

3・11を踏まえ、北海道から脱原発を発信すべき 
                  ― 麻田信二さん

この見解を受け、以下のようなやり取りが行われました。

麻田信二氏はまず、3・11以降、道の対応、認識は違っているのでないか、原発を稼働するかどうかは、危機管理監の(判断する)問題ではない。知事不在なら副知事が対応すべきだと指摘。そのうえで同氏は、北海道は食と観光で世界的に可能性のある地域だ。原発は100%安全ではない。日本列島は危ない地域だ。何か事が起きれば風評被害も含め北海道はダメになる。北海道から脱原発を発信すべきだ。50年、100年、200年後を見据えて、北海道の豊かな土地や自然を生かすことが大事だ。トップの認識、創造力の発揮が問われている―と述べました。
100万人署名提出行動参加者
(2014年3月14日道庁本館)
















北海道は自然エネでやって行ける 
        ー 道の独自性を示せ ― 西尾正道さん

西尾正道氏は、ガンの放射線治療をやっているが、ICRP(国際放射線防護委員会)が安全神話に支えられ、民間団体なのに、お金をたくさん使って公的機関であるかのようにふるまい、教科書も副読本も嘘と誤魔化しでやられている。医学的に放射線について、もっときちんと認識を持ってほしい。北海道は自然エネでやって行ける。土地も自然も資源もある。道の独自性を示すことだ―と要求しました。

規制基準は整備され規制委は厳正に審査している 
                  ― 加藤危機管理監

道の加藤危機管理監は、30キロ圏の防災計画は全町村がつくった。防災訓練もやっているし、冬も含めてこれからもやっていく。3・11以降、事故はないとは言えない、ゼロリスクはないという認識で規制委も審査している。重大事故についても、バックフィットを取り入れ(規制基準は)大変整備されている。規制委は厳正に審査していると思うーなど、安全神話の復活を思わせるような見解に終始しました。

人命第一。避難計画も立てられないものではダメだ 
                   ― 小野有五さん

 最後に小野有五氏は、人命第一だ。道民の命を守らなければ何の意味もない。地元の理解を得てというが、避難計画も立てられないものは無理だ。フクシマで放射能の拡散は30キロ圏にとどまらなかった。札幌にも放射能は来る。道は、札幌も含め避難計画をつくるべきだ。200万人が避難できるか。ありえない条件設定のもとでの防災訓練ではダメだ。道はしっかり考えるべきだーなどと指摘しました。

3・8フクシマを忘れない!
      さようなら原発北海道集会
 ―900人の参加者で会場あふれる。集会後、雪が舞う中デモ行進ー

 福島原発事故から3年目を迎え、中央3団体(首都圏反原発連合、原発をなくす全国連絡会、さようなら原発1000万人アクション)共同のNO NUKES WEEKに呼応し、3月8日午前、札幌共済ホールで「3・8フクシマを忘れない!さようなら原発北海道集会」(さようなら原発北海道実行委主催)が開催され、約900人が参加しました。
 

集会では呼びかけ人の小野有五北大名誉教授が、「泊原発が事故を起こせば、札幌も10マイクロシーベルト以上の放射能で汚染され、人が住み続けることができなくなる。泊原発をとめることなしに生きていけない」「原発のない北海道を」などと呼びかけました。
福島から新ひだか町に避難している地脇聖孝さん(福島原発原告団)は、「検察は、家宅捜査をすることもなく不起訴にした。被害者の一人として原子力村の責任をあきらめる
3・8さよなら原発北海道集会デモ行進
(2014年3月8日、札幌中心街)
ことなく追及していく」と表明。大間原発の敷地内にある『あさこはうす』を守る小笠原厚子さんは「母(熊谷あさ子さん)は、大間の美しい自然や海、漁業を守るために、30年間、脅迫や嫌がらせ、村八分にも屈せず、最後まで土地を売らなかった。今大間原発はまだ工事の途中。いまならやり直しができる。経済の前に人の命がある。子どもたちのためにも大間原発を断念させ、泊原発の再稼働を阻止するために頑張りましょう」と訴えました。
 福島県伊達市から北海道に家族で避難している中学生の宍戸柚希さんは、「フクシマのことはずっと気になっています。福島には今も大切な友人がいるし、おじいちゃんやおばあちゃんもいる。避難していても残っていても胸の痛みは変わりません。一日も早く原発事故を収束し、このような事故が二度と起きないことを望みます。私たちに起きたことを忘れないでほしい」と切々と訴えました。 
 集会アピールを採択後、札幌市内中心街をデモ行進しました。

北電は電気料金の再値上げをするな!
   泊原発構内での労災事故(2月)
             の全容と責任の所在を明らかにせよ
   3月13日 ― 原発連と道労連が北電本社へ申入れ

 北海道電力が2月17日、昨年9月に値上げしたばかりの電気料金の再値上げの検討を表明した問題で、原発問題全道連絡会(原発連)と北海道労働組合総連合(道労連)は3月13日、北電本社に「電気料金の再値上げをするな」「泊原発で2月に起きた労災事故の全容と責任の所在を明らかにせよ」の2点で申し入れを行いました。今回の申入れには、原発連と道労連のほか、働く人びとのいのちと健康を守る北海道センター(いのちと健康を守る道センター)から2人、全体で9人が参加しました(写真)。

原発依存が経営悪化を招く。廃炉を決断し再値上げはやめるべき

今回の再値上げ表明について北電は、泊原発の再稼働が見通せないため、火発の燃料費と他社電力購入費が急増し、経営収支が急速に悪化し経営破たんに陥るおそれがあることを主な理由にしています。
しかし、昨年9月の値上げの影響で、すでに廃業に追い込まれる電炉会社があるなど、値上げの影響は企業にも家庭にも悪影響をあたえており、再値上げできる状況にはありません。もともと北電の経営収支悪化の最大の要因は、巨額の建設費(1基3000~5000億円)と維持費(年間800億円)に加え、再稼働に向けた新規制基準への適合対策にも巨額(900億円)の資金投入が行われ、これが原価償却費を膨らませていることにあります。加えて、過度の原発依存により、老朽火発の計画的更新や温暖化ガス排出の少ない液化天然ガス発電の導入などを怠ってきたため、原発が止まると老朽火発のフル稼働を余儀なくされ、火発の燃料費の急増を招くいびつな電源構成に陥っていることは識者からも指摘されてきたことです。それは、原発をもたない沖縄電力や原発依存度が低い北陸電力や中国電力が、この間値上げ申請をしていないことを見ても明らかです。
今回の申入れでは、これらの点を明らかにして、再値上げをやめるよう求めるとともに、原発がなくても電気が足りているいま、ただちに泊原発を廃炉にするよう求めました。
しかし、北電は、こうした点には何らまともに答えず、あくまで泊原発の早期の再稼働に固執し、それが見通せないから再値上げは仕方がない、道民に負担増を求めるのも仕方がないと言わんばかりの態度に終始しました。

発注者責任は免れないー被災労働者と家族に万全の手立てをとるべき

 また、2月10日に泊原発構内で起きた下請会社の労働者が作業中に顔面骨骨折、脳挫傷などの重傷を負い1カ月余も入院を余儀なくされた重大な労災事故について、被災労働者の現状と後遺症が残らないか、今後の雇用は大丈夫か、本人と家族はどのような要望か、それにどのように対応するのか、事故の原因と再発防止策、責任の所在などを明かにするよう求めました。
電気料金再値上げ問題で北電へ申し入れ
(2014年3月13日、第36桂和ビル)
北電は、「負傷した労働者は順調に回復し近々退院も可能」、「労基署から、作業手順の明確化、危険予知の徹底の2点の指導を受け、作業マニュアルを文書化、リスクマネジメント(危険予知)の徹底、作業体制の充実などを行うことにした」などと述べました。しかし、被災労働者やその家族の要望、後遺症は残らないか障害者にならないか、今後の雇用と暮らしの見通しや要望への対応などについては「プライバシーに属することだ」と回答を拒否。また、責任の所在については、「労働者の所属企業に属ずる問題」などと述べ、発注企業=北電に責任はないかのように答えました。
これについて、いのち健康を守る道センターの佐藤誠一事務局長が、「北電の社員が監督していたもとでの事故であり、発注者責任は逃れられない」と指摘、これについて北電は否定できませんでした。