2013年7月2日火曜日

泊原発の再稼働申請に関する申し入れ

北海道電力株式会社
社長  川合 克彦様
                          2013年7月2日
                          原発問題全道連絡会  
代表委員     大田   勤 
  “        菅野 一洋 
“        畠山 和也 
                           

北海道電力泊発電所の再稼働申請に関する申し入れ


 毎日のご精励に敬意を表します。 
さて、貴社は、原子力規制委員会が決定した規制基準が施行される7月8日にも、泊原発1、2、3号機の運転再開を、原子力規制委員会に審査申請すると報道されています。
福島の原発事故から2年余の体験は、原発と人類は両立できないことを示しました。ところが、今回施行される規制基準は、過酷事故が起きうると想定しており、それ自体、今の原発が技術的に未完成で、安全性を保障しえないことを示すものです。泊原発も例外ではありません。
 しかも、今回の規制基準では、大津波に備える防潮堤や過酷事故に備える加圧水型原発のフィルター付ベント、免震重要棟、緊急時の第2指揮所などの設置には、最大5年間の猶予期間が設けられ、設置計画が提出されれば再稼働できるなどとしていて、あまりに安易であり、再稼働“さきにありき”です。さらに、原発の直下に活断層があっても、その断層のずれが地表に表れていなければ、設置を認めるなどというものであり、とても納得できません。
 しかも、泊原発は、猶予期間が設けられた多くの施設について、建設中あるいは今後設置するというものが多く、実際には再稼働の条件は未整備というべきです。また、泊原発の敷地内の断層のいくつかは、活断層の可能性があり再調査すべきとする学者や研究者の意見もありますが、貴社は否定するだけで再調査の意向を示していません。さらに、泊原発の周辺海底域には、未確認の活断層の存在を指摘する学者や研究者もいます。この問題も未解決ではありませんか。
 貴社は、去る4月、経済産業大臣宛てに、今年9月1日からの電気料金の値上げへの認可申請を提出しました。この値上げ認可申請案は、泊原発1、2、3号機の再稼働を前提としています。しかし、6月20日に行われた公聴会では、大半の意見陳述人が、再稼働前提は認められないと反対の意見を述べています。福島原発事故は、いまだに収束どころか、事故原因の究明も途上で、汚染水漏れ事故の続出、汚染水処理の見通しも立たず、むしろ危機的状況にあり事故は真っただ中にあります。
 地震と津波が多発するわが国に、大地震や大津波が起きないと保障できる場所はありません。泊原発も例外ではありません。
さらに、泊原発から30キロ圏内の13町村の原子力防災計画で、7万8千人もの住民が安全に避難出来るかどうか、実動訓練による検証さえ行われていません。
 以上の点から、貴社の泊原発の再稼働に向けた原子力規制委員会への審査申請は、その条件が整っていないばかりか、人類と共存できない原発を再稼働すること自体無謀というほかありません。
よって、以下のことを緊急に申入れます。

1、泊原発の運転再開に向けた原子力規制委員会への審査申請は行わないこと。
2、原発は人類と共存できない現実を踏まえ、泊原発は即時廃止し廃炉に進むよう決断すること。
3、泊原発の再稼働を前提とする電気料金値上げは、道民の合意がなく取り下げること。


                                          以上