2013年7月14日日曜日

泊原発再稼働についての声明発表

【声明】

北電による泊原発の再稼働申請にあたっての声明

2013年7月8日   原発問題全道連絡会
                               (札幌市白石区菊水5条1丁目4-5 道労連内
                                電話:0118158181、fax:8154545
   

 今日、北海道電力株式会社(以下 北電)は、泊原発1,2,3号機の早期運転再開を期して、原子力規制委員会(以下 規制委員会)に、今日から施行される規制基準による審査申請を行った。
 しかし、フクシマ原発事故は、2年以上経過した今も、原因究明もできず、事故の収束の見通しも立っていない。15万人を超える福島県民は厳しい避難生活を強いられたままである。このような現状を放置したまま、原発の再稼働や再稼働のための審査請求を行うなどとんでもないことである。
しかも、今日施行される規制基準は、人類がコントロールできない原発の過酷事故が起きうることを想定している。その過酷事故に備える対策でも、地震や大津波に備える防潮堤の設置や免震重要棟の設置、加圧水型軽水原発のフィルター付ベント装置の設置などは、最大5年間の猶予期間を設け、計画さえ立てていれば、運転再開を認めるなどというもので、“再稼働ありき”と言わざるを得ない拙速なものである。これは、国民の安全を二の次三の次にするものであり、無責任きわまりないものである。
泊原発の場合では、建設中の防潮堤は来年度の完成見込みであり、免震重要棟の建設も、フィルター付ベントの設置も2015年度の完成予定となっている。より精密な基準地震動策定のための敷地内や敷地周辺の地下構造の3次元的把握は未実施である。
また、泊原発から30キロ圏内の13町村の防災計画にもとづく7万8千人にのぼる住民の安全な避難の検証も行われていない。フクシマ原発事故では、30キロ圏にとどまらず、200キロを超える地域にもホットスポットが確認されており、北海道の大半の地域が原子力防災対策の対象地域になり得るが、そのような地域の防災計画は無視されたままである。
 ふくしまの原発事故から2年余の体験は、原発と人類は共存できないことを示し、いまも国民の多数は、原発の再稼動に反対であり、原発ゼロを願っている。放射性廃棄物の処分問題、使用済み核燃料を「資源」として再利用する核燃料サイクル計画の破たんが明白となったいま、再生可能エネルギーへの転換こそが未来への責任として急がれている。
 以上を踏まえ、北電の再稼働申請にあたって、以下のことを緊急に要求する。

                記

1、北電は、泊原発1,2,3号機の再稼働審査申請を撤回すること。また、泊原発の再      稼働を前提とする電気料金の値上げは撤回すること。
 
2、規制委員会は、再稼働ありきの拙速な規制基準を見直し、過酷事故が起きない規制基  準とすること。

3、北海道知事は、道民の安全に責任を負う立場から、北電に泊原発の審査申請の撤回を求めること。また、規制委員会に、再稼働ありきの拙速な規制基準の根本的見直しを求めること。泊原発から30キロ圏の13町村の原子力防災計画にもとづく広域避難の安全性を至急検証すること。フクシマ原発事故の実際を踏まえ、原子力防災計画を作成すべき市町村の範囲を道内全域に拡大するよう、国に求めること。

4、政府・関係機関は、民意を尊重し、再稼動を認めず、すみやかに原発ゼロの政治決断を行い、再生可能エネルギーの本格的普及に転換すること。

                                           以上