再稼働が前提の電氣料金値上げは認められません
-6月20日の公聴会で大多数が反対の意見陳述―
この公聴会は、北電による電気料金値上げの認可申請をうけて、経済産業省が実施したもの。北海道医師会や北海道生協連の代表、北電の株主やオール電化を導入している一般市民、原発のない北海道の実現を求めている市民運動家など、25人が意見陳述を行いました。
この中で、医師会の代表は、昨冬以来苦労しながら国の節電要請に協力してきたが、命を預かる医療機関として、これ以上の電氣料金値上げや消費税増税は、医療機関の経営をこんなに追い込むと具体例をあげて説明する一方で、北電の値上げ申請案が社長の給与を大幅削減してもなお年間2000万円だなどというのは、本当に経営難の企業であれば社会通念上通らないものだなどと厳しく批判し、人命を預かる医療機関として値上げ案に断固反対を表明しました。
また、20年前にオール電化を導入した高齢の男性は、今回の値上げ案で年間8万円以上も上がると、手書きの追加資料を提出して説明し、「公平性などというが、一般家庭の値上率6.8%に比べ、自分の場合は27%もの値上になる、公平などといえない、絶対認められない」と怒りを込めて見直しを求めました。
原発連の米谷道保氏は、一市民として意見陳述を行い、値上げの大きな要因が、5年前の値上げの際になかった泊3号機や京極の揚水発電所の減価償却費の増大や原発や火発の修繕費の増大、フクシマ後の原発の安全対策費の増大など、ほとんどが原発関連費用の増大にあると指摘し、原発依存が値上げの要因だと主張。なかでも京極町に建設中の揚水発電所は、ピーク時の電力カットが主な目的だが、すでに原発が動かなくても電氣は足りることが明らかになったいま、まったく不要な発電所なのに、その総工事費1350億円を電気料金に算入するなどということは全く納得できないとして、揚水発電所の減価償却費などは電気料金算入から外すべきだと要求しました。また、最後に同氏は、原発を続けた場合と、原発を廃止・廃炉にして15年間に再生可能エネルギーを20%に増やす場合の費用総体を試算し、後者の方が、国民にとって6400億円も便益が大きくなるとの立命館大学の大島堅一教授の試算を紹介し、北電は値上げ申請を取り下げ、原発を廃止・廃炉にして再生可能エネルギーに転換する場合の試算を行い、改めて論議すべきだと要求しました。
このほかの意見陳述人の多くの方も、再稼働を前提にした値上げ申請は、フクシマの教訓を学ばないものであり賛成できないとの意見を述べました。(原発連事務局FAX通信第267号より)