2013年4月28日日曜日

「原発のない北海道」、幌延深地層研究センター問題で知事に申し入れ

2013年4月26日 原発問題全道連絡会は高橋はるみ知事に対して「原発のない北海道」の実現にむけて、福島原発事故に総力をあげることを政府に求めること。泊原発の再稼働を容認せず、大間原発の中止を求めること。原発依存をやめて再生可能な自然エネルギーの普及に転換するよう求めることを要請しました。
要請書を手渡す太田代表委員
要請について道との話し合い
そして幌延深地層センターに関しては最終処分場としても研究地としても不適地であり、国に廃止を求めること。使用済み核燃料の直接処分の研究地としないよう国に求めること。道民合意なしに北海道と幌延を核のごみ捨て場にしないよう国に求めることを要請する申し入れを行いました。
要請書全文は「メニュー」「北海道知事への申し入れ」をご覧ください。

話し合い概要


泊原発の再稼働を容認せず、大間原発の建設中止、
    ただちに原発のない北海道の実現を国に求めよ
  地下水やガスが出る幌延深地層研究センターは廃止を!
  - 26日原発連が道知事に2つの申入れ ー
 今回の申入れは2つ。1つは、猛暑の昨夏も厳冬の今冬も、泊原発がなくても道内の電気は足りた今こそ、泊原発の再稼働を容認せず、大間原発の建設を中止し、原発のない安全・安心な北海道の実現を国に求めるべき時だと要請しました。
 この要請に対し、道側は、原子力規制委員会が作成中の新規制基準で泊原発の安全性をしっかり審査してもらいたい、大間原発は昨年10月5日、知事が経産大臣に、国の責任で大間原発の必要性や安全性を明らかにすべきだと求めた、また事業者である電源開発には、道南住民に十分説明するよう申し入れていると述べるにとどまりました。
 これに対して、代表委員の大田勤岩内町議が、北電は事業者の防災業務計画で、1・2号機から80mの事務管理棟の地下2階に緊急時対策所を設置したとしているが、ここは海抜2.3mしかなく、津波の際に水没するのでないか、道の見解を聞きたいと求めました。しかし、道側は、地下2階の緊急時対策所あるいは、中央制御室の隣に設けた緊急時代替指揮所は、道が認めるとか認めないとかいう問題ではなく、規制委員会が新基準で判断し、北電がきちんと対策を取ることが大事な問題だなどとし、道民に責任を負う自治体としての考えを何も示しませんでした。
 これについて大田勤代表委員は、地下2階、海抜2.3mの指揮所など納得できない、と道の無責任な対応を批判しました。
 原発連 「福島事故収束宣言撤回して収束に総力あげるよう国に求めよ」
  道側 「原発関係団体協議会を通じるなどして国に要請してきた」「今後も事故収束    に国が責任もって取り組むよう求めていく」
   原発連  「原発依存のエネ政策をやめ、再生可能エネの大量普及に転換を」
    道側 「省エネ・新エネ促進条例にもとづき、導入促進に努めるが、送電網の整備や    蓄電技術開発など国の制度や支援策に大きく左右されるので、国の積極的な    取組みを要請しつつ、道として地域の特性や取組みの熟度に応じた支援に努    める」
    原発連 「地下水やガスが発生する幌延深地層研の廃止を求めよ」
     道側 「幌延深地層研は、地下深部に厚い堆積岩があり、結晶質岩の岐阜県瑞浪市の    超深地層研との研究対比ができる特徴がある」「現在第2段階の坑道掘削時    と第3段階の地下施設での調査研究が行われており、安全対策を講じつつ計画
               通り研究が進むよう申入れていく」
            原発連 「幌延を使用済み燃料の直接処分の研究地にしないよう求めよ」
 道側 「安全性の確保を最優先に、国が具体的な道筋を示していくもの」
原発連  「北海道と幌延を核のごみ捨て場にしないよう求めよ」     
 道側 「道条例により、特定放射性廃棄物の持ち込みは受け入れがたいことを宣言している。また幌延町と原研機構と北海道の3者で、放射性廃棄物を持ち込むことや使用することはしない協定を結んでおり、これらを順守することが大切と考えている」


北電が防災業務計画修正で事象発生報告先から3町村を削除
大田勤代表委員 ~「安全協定からの後退だ」と道に見解ただす

応答の中で大田勤代表委員は、国の原子力防災指針の見直しや道の原子力防災計画の見直しにともない、北電が防災業務計画を再修正し、泊原発内での事象発生報告先自治体及び立ち入り検査の同行自治体から、周辺3町村(岩内、共和、神恵内)を削除し、道と泊村だけにしたことについて、地元の意向軽視、安全協定からの後退だと批判し、道の見解をただしました。
道側は、「国の防災指針と道の防災計画見直しに伴う(文言)整備で、北電の防災業務計画からは削除されたが、これまでと同じように3町村にも連絡するし、立入にも同行できることになっている」と回答しました。しかし、削除する明確な根拠は示しませんでした。
 このほか、原発連が、原子力規制委員会の放射能漏れ事故を想定した新規制基準案について道の見解をただしたのに対して道側は、「これまでは放射能漏れへの対策がなかったのを改め今回設けるもの」などと規制委員会の見解を肯定的に語り、規制委員会が5月10日までパブコメを行っているので意見があれば出せるなどと回答。これに対し原発連側は、過酷事故が起きうるなどという想定の規制基準では、道民の安全を保障しえないのだから、道としてもパブコメで意見を出すべきだし、泊原発敷地内の11本の断層のうち3本の断層は活断層ではないかとの疑念があるだから、北電に再調査を求めるべきだと求めました。しかし、道側は、規制委員会が判断する問題だというだけで、知事が口にする「道民の安全を最優先に考えていく」とは大きくかけ離れた回答にとどまりました。