2012年12月20日木曜日

原発問題連絡会ニュース第231号 - 2012年12月20日

原発問題連絡会ニュース 第231号


 原発問題全道連絡会は12月20日、12月16日投票で行われた総選挙の結果について、以下の談話を発表しました。

総選挙の結果を踏まえ、即時原発ゼロ、大間原発建設中止、原発・核燃サイクルからの撤退めざし、一層道民の世論と運動を広げよう! 2012年12月20日       原発問題全道連絡会

 私たちは、12月16日投票で行われた総選挙にあたって、「『泊原発の即時廃止・廃炉』、『大間原発建設中止』『幌延深研究センター廃止』『原発・核燃サイクルからの撤退』で行動する政党・候補者を選ぼうとのアピールを発表し、それぞれの持ち場で、その実現をめざし奮闘してきました。
しかし、総選挙の結果は、大飯原発の再稼働を強行し、原発を基幹電源と位置づけ、原発稼働ゼロを2030年代に先延ばししする民主党が、前回の308議席から57議席へ大敗したことは当然とだしても、私たちのアピールにかなう政策を掲げて行動している日本共産党が9議席から8議席に後退する一方、原発ゼロなどとんでもないと事実上推進する立場の自民党が296議席、原発ゼロを40年以上先伸ばしする公明党が31議席、原発は大した問題でないなどと誤魔化す日本維新の会が54議席、原発ゼロを10年~20年も先延ばしするその他の政党は、みんなの党が18議席、日本未来の党が9議席、社民党が2議席など、原発即時ゼロを掲げない政党が圧倒的多数の議席を占めるなど大変残念な結果となりました。
北海道では、道内の衆議院定数20議席中、民主が2、自民が14、公明が2、新党大地が1、日本維新の会が1を獲得する一方、私たちがアピールで掲げた「泊原発即時廃止・廃炉」、「大間原発建設中止」「幌延深地層研究センター廃止」「原発・核燃サイクルからの撤退」などで一致する日本共産党は、今回も議席を獲得するに至らない大変残念な結果となりました。
しかし、私たちがアピールで掲げた要求は、広範な道民の願いであることに変わりはありません。いまも、毎週金曜日、首相官邸前行動に呼応し、北海道でも「泊原発いらない!」、「再稼働反対!」、「大間原発建設中止!」「北海道と幌延を核のごみ捨て場にするな!」などを掲げた行動が、札幌の道庁前や旭川、釧路、十勝などで元気に行われています。函館では、大間原発建設工事差し止めを求める訴訟を、市が起こす補正予算が12月市議会で全会一致で可決されました。
私たちは、こうした道民の運動や行動と連帯し、総選挙にあたってのアピールで掲げた「泊原発即時廃止・廃炉」「大間原発建設中止」「幌延深地層研究センター廃止」「原発・核燃サイクルからの撤退」の実現をめざし、引き続き粘り強く世論と運動を広げ、道民の合意形成につとめ、国政をも動かす決意です。


 今回の総選挙で候補者として大奮闘した道原発連代表委員の畠山和也さん(比例代表北海道ブロック候補)と道原発連個人会員の野呂田博之さん(1区政策委員長で小選挙区1区候補)に、総選挙を闘っての感想・手記を寄せていただきました。紹介します。

衆院選挙をたたかって
   2012年12月19日     原発問題全道連絡会代表委員 畠山和也

 多くの方のご支援で、選挙戦をたたかいぬくことができました。結果は残念でしたが、原発問題が大きな争点となり、違いはあっても「脱原発(依存)」などのスローガンを掲げざるを得なかったのは、この間の原発連はじめ国民運動が反映したものと確信できた選挙でした。信用はできませんが自民党候補でさえ「大間原発建設中止」と言うのですから、間違いなく政治を動かすだけの国民世論だったのだと思います。
 金曜日には、道庁前の反原発行動にも参加しました。北海道反原発連合はホームページで議員・候補者への参加も呼びかけていたので、これまでは「個人としての参加」という形でしたが、ハッキリと候補の身として参加し、スピーチもさせていただきました。
 原発だけに限りませんが、選挙中の市民運動で候補にあいさつをさせてもらい、しかも「再稼働反対」に大きな掛け声もかかるなど、経験したことがありません。原発問題では日本共産党が違和感なく受け止められている、と実感しました。
 スピーチ後に若い人が「聞いてもいいですか」と駆け寄ってきました。「即時ゼロという時に、どのようなプロセスを取るのですか」「電力会社が赤字となった時に、国が補填するということも考えますか」など知りたい、と言うのです。私から説明したあと、「せっかくなので法人税の考え方についても教えて」と問いかけます。ひととおり話した後に「共産党は、そういう点で誤解されていますよ。今日の話も参考にします」との返事をいただきました。
 確かに即時原発ゼロは可能なのか、との疑問は広範にあるかと思います。電力需給や電力料金、立地自治体への支援など、全面的な回答を多くの方が求めています。その政策はそろえているつもりですが、わかりやすく浸透できるかどうかは候補の持つ責任の1つ。あらためて力をつけたいと思いました。
 投票率が下がったにもかかわらず、原発問題を抱える自治体での日本共産党の比例票が増えている(2010年参院選比)ことに気がつきました。泊村で11票、函館市787票、北斗市100票、七飯町97票、幌延町26票、などです。TPPなど諸課題もあったでしょうが、変化の「胎動」は始まっているように思います。
 自民・公明政権と言えども、国民の声に反する政治は簡単にはできないはずです。これまで以上に原発ゼロへの世論を広げる先頭に、原発連代表委員として引きがんばります。


即時原発ゼロ社会の実現に向けて
2012年12月19日    1区政策委員長 野呂田博之


 


3・11福島原発事故を体験して、国民の多くは原発に頼らない自然エネルギーへの転換を求めています。そんななかでの衆議院選挙で「即時原発ゼロ」を掲げる日本共産党が前進できなかったのが残念でした。力不足を感じていますが、立ち止まっている時間はありません。ひきつづき「再稼働反対!」「泊は廃炉!」「自然エネルギーへの転換を!」の声を高めていきます。
 選挙戦のなかで福島市から自主避難されて中央区に住んでいる方とお会いする機会がありました。その女性の夫は福島市内で材木店の仕事をしているため福島市内に残っています。子どものことが不安でこちらに夫婦バラバラで来られています。福島では保守系の市長さんの選挙応援もしたことがあります。でも、あの3・11以降二度と応援はしたくない、市民のことを何にも考えない政治家にうんざりとお話ししていました。今度は、日本共産党と支持を約束されていました。
 札幌では反原発連の抗議行動が6月から取り組まれています。わたしもずっと参加してきましたが最大参加900人と数では大きくなっていません。でも初めての参加者が毎回います。わたしは候補活動中も「なくせ!原発」の福島集会の旗や「大間原発建設再開大間違い」のプラカードを持って参加しました。市民の思いに心を寄せて一緒に参加している他党の候補がいたでしょうか。
 あちこちの原発の下に活断層の危険が報道されています。この日本列島に安全な原発などひとつもありません。思考停止や後戻りはできません。子どもたちの未来を守るために、福島から避難されてきた方々の思いを共有して最も現実的で一番責任があり、実現可能な「即時原発ゼロ」をこれからも訴え続けます。


新たに苫小牧市議会と登別市議会で
泊原発の再稼働「しない」、「住民理解を求める」
                 意見書を可決
           ―昨年来の累計で、道内41市町村議会に―


  12月定例地方議会で、苫小牧市議会では「泊原発1・2号機の再稼働に関する住民理解を求める意見書」が関係委員会で趣旨採択され、14日の本会議では一部修正のうえ全会一致で可決、登別市議会では17日「福島原発事故の徹底究明・検証と北海道泊原発をはじめとする原発の再稼働をせず、大間原発の建設中止を求める意見書」が全会一致で可決され、それぞれ関係機関へ送付されました。この2市議会が加わり、昨年来の累計で、道内41市町村議会で採択されたことになります。

稼働停止中の原発では、事故は起きないのか、
                 との質問に答えて

先の総選挙中に、稼働停止中の原発が、福島原発事故のような大地震や大津波などに遭遇したら、どうなるか、事故の心配はないのかどうか、わかりやすい対話マニュアルを書いてほしいとの要望が寄せられました。参考に書いたものを掲載します。

◇昨年の福島第一原発の事故では、1、2、3号機が水素爆発、2号機が異常爆発を起こし、大量の放射性物質が放出・拡散され、今も放射性物質は放出され、被害を拡大し続けていることはご承知の通りです。
福島の事故では、稼働中だった1、2、3号機は地震の揺れで自動停止しましたが、送電鉄塔の倒壊で外部電源が送電不能となり、内部の緊急電源が一時稼動しました。しかし、これが津波をかぶって運転停止し、冷却水が循環しなくなって、炉心溶融・メルトダウンを起こし、水素爆発や異常爆発に至ったとされています。4号機は、定期検査のため稼働停止中で、原子炉に核燃料棒は入っておらず、貯蔵プールに移して冷却水を循環させて冷却中でしたが、冷却水を循環させるポンプの電源が途絶えて、プールの冷却水が核燃料棒の中のウラン燃料が、すでに核分裂して生成された放射性物質の崩壊熱で短時間に蒸発し、温度が1100℃以上に上がって水が核燃料棒の被覆管(ジルコニウム合金)と反応し水素が発生して水素爆発に至ったとされています。
◇いま全国で(泊原発もその一つ)稼働停止中の原発では、一応定期検査を終え、再稼働に向けてすでに原子炉に核燃料を装荷済みの原発と、核燃料棒を貯蔵プールに移してプールで冷却貯蔵中の原発があります。どちらの場合も、すでに運転した実績がある核燃料棒は、崩壊熱を出し続けており、冷却水を循環させて冷却を続けなければ、福島と同様な事故を起こします。
したがって、稼働停止中の原発であっても、冷却水を循環させるポンプの電源が途絶えると、福島と同じような炉心溶融・メルトダウン事故を起こしうるのです。ただ、稼働中の原発の場合は、地震や津波が発生し原発を緊急停止させても、原子炉やタービン建屋に至る複雑で長大な配管も含めて高温高圧の過酷な状態のもとにあり、事故時の制御は停止中よりもいっそう困難だと考えられます。すでに稼働停止し、冷温停止状態に到達している原発の方がコントロールしやすいと考えられます。その場合でも、炉心溶融事故は起きうるということです。
◇確かに、稼働停止すれば、核燃料棒の中のウラン燃料の核分裂はとまるので、新たな放射性物質が生成する(増える)ことは防げます
が、すでに生成された放射性物質が核崩壊を起こし、莫大な崩壊熱を出しながら放射性物質ではない安定的な原子に変わっていきます。使用済み核燃料棒の場合、貯蔵プールから取り出せる状態になるまでに少なくとも4~5年は要するとされています。貯蔵プールも冷却水を循環し続けるなど、厳重な保守・管理が必要です。
◇以上のように、稼働停止中であっても、事故が起きうるわけです。これが軽水炉原発の構造的欠陥です。稼働停止したから事故の心配がなくなったと言えるわけではありません。福島のような大地震や大津波が原発を襲えば、地震国日本で安全だと言える原発はあり得ません。早く廃止し、廃炉のプロセスに進めるべきです。
◇廃炉にするとしても、その手順が確立しているわけではなく、試行錯誤を繰り返しながらの20~40年ともいわれる長期間にわたる作業行程が伴うとされています。廃炉の技術を開発し、安全な廃炉作業を推進することが求められています



2012年12月19日水曜日

即時原発ゼロ社会の実現に向けて - 1区政策委員長 野呂田博之


即時原発ゼロ社会の実現に向けて
2012年12月19日    1区政策委員長 野呂田博之


 


3・11福島原発事故を体験して、国民の多くは原発に頼らない自然エネルギーへの転換を求めています。そんななかでの衆議院選挙で「即時原発ゼロ」を掲げる日本共産党が前進できなかったのが残念でした。力不足を感じていますが、立ち止まっている時間はありません。ひきつづき「再稼働反対!」「泊は廃炉!」「自然エネルギーへの転換を!」の声を高めていきます。
 選挙戦のなかで福島市から自主避難されて中央区に住んでいる方とお会いする機会がありました。その女性の夫は福島市内で材木店の仕事をしているため福島市内に残っています。子どものことが不安でこちらに夫婦バラバラで来られています。福島では保守系の市長さんの選挙応援もしたことがあります。でも、あの3・11以降二度と応援はしたくない、市民のことを何にも考えない政治家にうんざりとお話ししていました。今度は、日本共産党と支持を約束されていました。
 札幌では反原発連の抗議行動が6月から取り組まれています。わたしもずっと参加してきましたが最大参加900人と数では大きくなっていません。でも初めての参加者が毎回います。わたしは候補活動中も「なくせ!原発」の福島集会の旗や「大間原発建設再開大間違い」のプラカードを持って参加しました。市民の思いに心を寄せて一緒に参加している他党の候補がいたでしょうか。
 あちこちの原発の下に活断層の危険が報道されています。この日本列島に安全な原発などひとつもありません。思考停止や後戻りはできません。子どもたちの未来を守るために、福島から避難されてきた方々の思いを共有して最も現実的で一番責任があり、実現可能な「即時原発ゼロ」をこれからも訴え続けます。





新たに苫小牧市議会と登別市議会で
泊原発の再稼働「しない」、「住民理解を求める」意見書を可決
           ―昨年来の累計で、道内41市町村議会に―


  12月定例地方議会で、苫小牧市議会では「泊原発1・2号機の再稼働に関する住民理解を求める意見書」が関係委員会で趣旨採択され、14日の本会議では一部修正のうえ全会一致で可決、登別市議会では17日「福島原発事故の徹底究明・検証と北海道泊原発をはじめとする原発の再稼働をせず、大間原発の建設中止を求める意見書」が全会一致で可決され、それぞれ関係機関へ送付されました。この2市議会が加わり、昨年来の累計で、道内41市町村議会で採択されたことになります。




稼働停止中の原発では、事故は起きないのか、との質問に答えて
先の総選挙中に、稼働停止中の原発が、福島原発事故のような大地震や大津波などに遭遇したら、どうなるか、事故の心配はないのかどうか、わかりやすい対話マニュアルを書いてほしいとの要望が寄せられました。参考に書いたものを掲載します。

◇昨年の福島第一原発の事故では、1、2、3号機が水素爆発、2号機が異常爆発を起こし、大量の放射性物質が放出・拡散され、今も放射性物質は放出され、被害を拡大し続けていることはご承知の通りです。
福島の事故では、稼働中だった1、2、3号機は地震の揺れで自動停止しましたが、送電鉄塔の倒壊で外部電源が送電不能となり、内部の緊急電源が一時稼動しました。しかし、これが津波をかぶって運転停止し、冷却水が循環しなくなって、炉心溶融・メルトダウンを起こし、水素爆発や異常爆発に至ったとされています。4号機は、定期検査のため稼働停止中で、原子炉に核燃料棒は入っておらず、貯蔵プールに移して冷却水を循環させて冷却中でしたが、冷却水を循環させるポンプの電源が途絶えて、プールの冷却水が核燃料棒の中のウラン燃料が、すでに核分裂して生成された放射性物質の崩壊熱で短時間に蒸発し、温度が1100℃以上に上がって水が核燃料棒の被覆管(ジルコニウム合金)と反応し水素が発生して水素爆発に至ったとされています。
◇いま全国で(泊原発もその一つ)稼働停止中の原発では、一応定期検査を終え、再稼働に向けてすでに原子炉に核燃料を装荷済みの原発と、核燃料棒を貯蔵プールに移してプールで冷却貯蔵中の原発があります。どちらの場合も、すでに運転した実績がある核燃料棒は、崩壊熱を出し続けており、冷却水を循環させて冷却を続けなければ、福島と同様な事故を起こします。
したがって、稼働停止中の原発であっても、冷却水を循環させるポンプの電源が途絶えると、福島と同じような炉心溶融・メルトダウン事故を起こしうるのです。ただ、稼働中の原発の場合は、地震や津波が発生し原発を緊急停止させても、原子炉やタービン建屋に至る複雑で長大な配管も含めて高温高圧の過酷な状態のもとにあり、事故時の制御は停止中よりもいっそう困難だと考えられます。すでに稼働停止し、冷温停止状態に到達している原発の方がコントロールしやすいと考えられます。その場合でも、炉心溶融事故は起きうるということです。
◇確かに、稼働停止すれば、核燃料棒の中のウラン燃料の核分裂はとまるので、新たな放射性物質が生成する(増える)ことは防げます
が、すでに生成された放射性物質が核崩壊を起こし、莫大な崩壊熱を出しながら放射性物質ではない安定的な原子に変わっていきます。使用済み核燃料棒の場合、貯蔵プールから取り出せる状態になるまでに少なくとも4~5年は要するとされています。貯蔵プールも冷却水を循環し続けるなど、厳重な保守・管理が必要です。
◇以上のように、稼働停止中であっても、事故が起きうるわけです。これが軽水炉原発の構造的欠陥です。稼働停止したから事故の心配がなくなったと言えるわけではありません。福島のような大地震や大津波が原発を襲えば、地震国日本で安全だと言える原発はあり得ません。早く廃止し、廃炉のプロセスに進めるべきです。
◇廃炉にするとしても、その手順が確立しているわけではなく、試行錯誤を繰り返しながらの20~40年ともいわれる長期間にわたる作業行程が伴うとされています。廃炉の技術を開発し、安全な廃炉作業を推進することが求められています。

2012年12月6日木曜日

原発ゼロの声




原発ゼロの声―道内全域に
          とどろく
 道内15地域22カ所、約3000人が
                いっせい行動
     ~ 11・11「100万大占拠」連帯行動 ~
 3・11福島原発事故から1年8カ月目の11月11日、原発問題全道連絡会と国民大運動北海道実行委員会のよびかけにこたえ、「百万人大占拠」行動や「原発をなくす全国連絡会」の提起に呼応する「今すぐ原発ゼロへ!11・11全国いっせい行動」が道内全域の15カ所で朝から夕刻まで宣伝、署名、学習会、リレートーク、集会とデモ行進など多様な形態で取り組まれ、約3000人が政府に「原発ゼロ」の決断を迫りました。(写真は、札幌アクションのデモ行進)。 
 札幌アクションに1000人、総選挙で「原発ゼロ」の国会勢力を多数に


札幌アクションは、秋晴れの青空が広がるもと、札幌市大通公園西6丁目広場で行われ、原発連と国民大運動北海道実行委員会加盟団体はじめ、北海道反原発連合や脱原発の市民団体、一般市民など約1000人が参加しました。
 主催者を代表して原発連の畠山和也代表委員が挨拶し、「原発をめぐる情勢は激しさを増しており、特に今冬は北海道が電力需給見通しの問題で焦点になっている。再稼働の圧力を跳ね返すため、全国に呼応し私たち道民が『原発ゼロ』の思いをきっぱり示しましょう。近く行われる総選挙で『原発ゼロ』の国会勢力を多数にする活動を、今日を契機に一層強めましょう」と呼びかけました。
 連帯の挨拶にかけつけた泊原発廃炉訴訟原告団・北大名誉教授の常田益代副団長は、「去年のちょうど今日、612人が集まり、北電を相手取り、泊原発の廃炉を求めて提訴しました。子どもと北海道の大地を守るため、連携して大間原発の建設を中止させ、幌延に核廃棄物を持ち込ませないためです。そして明日、621人が第2次提訴を行います。一次、二次提訴合わせて1233人の原告団となります。この冬は、原発なしでも文化的な生活ができることを証明するチャンスです。泊を廃炉にし、原発をなくすまで、声をあげ続けましょう」と訴えました。
 「ふくしま復興共同センター』からのメッセージの紹介のあと、道労連の黒沢幸一議長が「行動提起」をおこない、引き続き原発ゼロに向けて、毎週金曜日の行動への参加を広げ、道知事宛て「原発のない北海道を」100万道民署名促進、泊原発の再稼働反対や大間原発の建設中止を求める市町村議会への請願や陳情運動を広げようと呼びかけました。
 集会のあと、毎週金曜日の反原発道庁行動を呼びかけている北海道反原発連合が打ち鳴らすスチール缶やドラムの音と「再稼働反対」「原発いらない」の掛け声を先頭にデモ行進、北電本社前ではひときわ大きな声でアピールしました。原発連は初めて独自のノボリを3種類掲げて参加しました。(写真 下)



小さな町の大きなリレートーク集会に64人
  各界から10人が発言―中身の濃い話にあっという間に閉会時間に
    今金町長からはメッセージ  せたな町で11・11連帯行動
「原発ゼロをめざす檜山北部の会」を結成して  せたな9条の会 事務局 藤谷容子


せたな町では、数年前から、9条の会の活動を定期的に行っています。私は、その事務局をやっています。また、若い農業者を中心に、原発問題に取り組む団体が、昨年春から活動をしています。
今年の9月、教職員組合の呼びかけで、一緒に学習会を持ちました。そのとき、受付をしていた女性たちで、金曜日デモに行きたいね、なかなか行けないから、この町で行動できないかな、という話をしました。
 11・11の呼びかけ文を読んだとき、「この日に、せたな町で何かしなければ」と思い、関心のありそうな団体の責任者によびかけ、「原発ゼロをめざす檜山北部の会」を結成し、11月11日に原発ゼロをめざす集会を行うことを決めました。
 新婦人の会でプラカードをつくり、「幸せなら手をたたこう」の替え歌を作り、集会への参加のよびかけをしていきました。
 隣町の今金町では図書館まつり、せたな町でも、お寺の行事や地域の文化祭芸能発表会と重なり、参加したいけど行けないという方が何人かいました。そこで、メッセージをもらうことを思いつき、ついでに今金町とせたな町の町長にも、参加をよびかけ、参加できないならメッセージをとお願いしてみました。もらえると思っていなかったのですが、今金町の町長はメッセージをくれました。
 当日は、午前中2時間半、宣伝カーを走らせました。農家の人たち、学校の先生たち、お寺の住職と檀家さんたち、9条の会の人たち、町議会議長、国保病院医師、獣医師、小さな子ども連れのお母さんなど、64名の参加でした。
 町議会議長が同僚議員を誘ってつれてきてくれていたり、勤

2012年12月3日月曜日

北電への「道内の今冬の電力の安定供給等に関する申し入れ」


北海道電力株式会社                    2012年11月1日  
社長   川合 克彦 様 
                        原発問題全道連絡会
                            代表委員   大田  勤
                             “     菅野 一洋
                             “     畠山 和也 
                      北海道労働組合総連合
                            議 長    黒沢 幸一
                      (札幌市白石区菊水5条1丁目4-5
                          第6尾崎ビル3階  道労連内
電話:0118158181
Fax011-8154545


道内の今冬の電力の安定供給等に関する申入れ


日々のご精励に敬意を表します。
 さて、貴社は10月12日、泊原発の再稼動がないもとでの道内の今冬の電力需給見通しを発表し、2010年度並の厳寒になった場合の今冬の最大電力需要を563万KWと想定する一方、最大供給力は596万KW確保できるとし、供給予備力が2月度33万KW、供給予備率5.8%で、最低限必要な3%を確保できる見通しとしています。
同時に貴社は、33万KWの予備力を持っていたとしても、北本連系設備からの受電が見込めなければ伊達や知内発電所の発電機1機(35万KW)が停止すると予備力がほぼゼロの状態になってしまう、また、昨年度の最大の予定外の停止実績が96万KWに達したとし、この場合は北本連系からの最大60万KWの受電を考慮しても供給力が不足する事態となるなどとし、今冬前に泊原発の再稼働が必要だと不安を煽っています。現に貴社は、7月31日に今冬の需給見通しが今夏以上に厳しくなるとの見解を発表して以来、冬になる前に泊原発1、2号機の再稼動を待望する発言を繰り返してきています。
しかし、道内の今夏の電力需給結果は、苫東厚真火発4号機(出力70万KW)を大規模改修と称して5カ月間も運転停止しながら、電力不足は起きませんでした。この苫東厚真火発4号機は、10月22日に改修を終え、今冬フル稼働が可能となることが予定されています。本道の冬の電力需要が、夏に比べ約70万KW増加するとされていますが、これは苫東厚真火発4号機がフル稼働すれば、増加分をカバーできることになり、基本的には今冬も電力不足は起きないと見通せます。また、北本連系で最大60万KWの受電も可能とされています。さらに、需給逼迫時の需給調整契約による需要抑制でも一定の供給量確保が可能です。こうしたことを考慮すれば、今冬も電力は十分確保可能であると考えます。
そもそもフクシマ原発事故の最大の教訓は、このような事故は、2度と繰り返してはならないということです。原発は、技術的に未完成で、世界有数の地震国、津波国のわが国に大地震が起きないといえる安全な場所はどこにもない(国会での気象庁長官答弁)のであり、したがって安全な原発などありません。また、原子力規制委員会は、再稼働に必要な安全基準をまだ策定していません。過酷事故に備えた原子力防災計画や原子力防災対策もこれからです。まして避難訓練による検証などは今後の課題です。まさに泊原発も再稼動の条件そのものがありません。泊原発なしの安定供給計画を立て、実行すべきです。
しかも、いま国民・道民の8~9割が「即時原発ゼロ」を望んでいます。この国民・道民の声を真正面から受け止め、政府も貴社も、夏も冬も原発に頼らないで電力の安定供給の責任を果たすべきです。
いまこそ、人類と共存できない原発から撤退し、安心・安全な再生可能なエネルギーに転換すべき時です。自然の豊かな北海道でこそ、安全な再生可能エネルギーへの転換の条件に満ちており、貴社も率先して自然エネルギーの本格的普及に転換すべきです。また、無駄な電力の節電とともに、人間の摂理にも反する24時間型社会に象徴されるエネルギー浪費型の日本社会を根本から見直し、低エネルギー社会への転換に踏み出すべきです。
以上を踏まえ、以下のことを申し入れるものです。

1、道内の発電設備容量は、苫東厚真火発4号機が10月22日に大規模改修を終えてフル稼働に入れば、冬季の電力需要増に見合う電力供給が可能となります。今回の貴社の電力需給見通しも、原発なしに今冬も電力供給が可能であることを示すものとなっています。今こそ、福島原発事故を踏まえ、原発依存から脱却し、泊原発の即時全廃、廃炉に踏み切ること。

2、発電設備の頻繁な故障の発生を理由に電力不足をあおり、過度の節電や計画停電で道民を脅かす卑劣なやり方は厳に慎むこと。電力需給と危険な泊原発の再稼動を天秤にかけるのは間違いであり即刻やめること。

3、予期しない火発の故障など不測の事態に備える必要があるのなら、地域独占企業体としての社会的責務を深く自覚し、既存の水力発電や火力発電などの保守管理に万全を期すとともに、今夏東北電力などが緊急設置電源を増設するなどして乗り切ったように、緊急対策として、火力による電力確保を行い、道民に不安を与えない安定供給体制を確立すること。但し、火力発電は、地球温暖化抑止という人類的課題の観点から、あくまで過渡的な緊急避難措置とすること。

4、自然資源の宝庫である北海道は、安全で再生可能な自然エネルギーに大転換をはかる条件に満ちており、貴社が自然エネルギーの本格的な普及の先頭に立つこと。すでに応募があった187万KWの風力発電や90万KWの太陽光発電の買取と送電線への接続が可能となるように、発送電分離と送電線への接続の義務化を法制化するよう、国に強く働き掛けること。

5、この機会に貴社は、24時間型社会に象徴されるエネルギー浪費型社会を根本から見直し、低エネルギー社会に転換する牽引車の役割を発揮すること。

               以上 

北海道知事への「今冬の電力の安定供給等に関する申し入れ」

北海道知事
高橋 はるみ様
                     2012年11月21日
                            原発問題全道連絡会
                           代表委員   大田 勤
                            “     菅野一洋
                            “     畠山和也

今冬の電力の安定供給対策と泊原発、大間原発、
幌延深地層研究センター事業に関する申入れ


1、今冬の電力の安定供給対策、3つの問題について
 政府は11月2日、今冬の道内の電力需給対策として2010年度比7%以上の節電など3段階の対策を決めて北海道に要請しました。これをうけて貴職は、北海道地域電力需給連絡会を開き、9日に家庭や企業向けの節電対策として「北海道・冬の安全プログラム」を公表しました。しかし、今回政府が決定した内容には、いくつか重大な問題があると考えます。

1つは、北電は今冬の厳寒期の2月でも供給予備力を33万kw、予備率を最低限必要な3%を超える5.8%を確保できるとしながら、過去の火発の計画外停止の頻発を口実に、泊原発なしに今冬を乗り切るには、夏季と同様に、数値目標付の節電や計画停電の準備の必要性を盛んに強調してきました。そして政府がこの要望を受け入れる形で7%以上の節電要請など3項目の対策を決定したと伝えられており、北電に安定供給に必要なだけの緊急設置電源の増設などは求めていないという問題です。
北電は、電力の安定供給の責任から、不測の計画外停止にも備えた供給力確保対策を取るべきです。計画外停止を口実に、節電や計画停電で道民に不安をあおるなどもってのほかです。需給検証委員のなかには、北電の需給対策がなお不十分だとする意見を述べる人もいたとも言われています。緊急電源設置に関しては、北電は夏冬合わせて14.8万kwにとどまっていますが、東北電力は、今夏の供給量確保のために、30万kwクラスの火発3台を緊急設置し、新規に約98万kwの電力を確保したとされています。
北電が計画外停止にも対応できるだけの緊急電源設置増を行わない真の理由は、この間、北電社長が泊原発の一日も早い再稼働を待望する発言を繰り返してきているように、泊原発を再稼働すれば、新たな緊急電源の設置増は不要であり、無駄な投資になると考えているからではないかとの疑念が生じます。だとすれば、それは道民の安全よりも北電の経営対策を優先し、原発に固執するものと言わざるを得ないものです。この点で、11月8日の北海道地域電力需給連絡会に参加した松宮勲経済産業副大臣が、運転停止中の原発を1日も早く再稼働するよう願うと原子力規制委員会に期待感を示したと報道されていることは大問題です。福島原発事故の教訓をまったく踏まえず、原発に固執する国と電力会社の態度は重大です。
貴職は、今回の北電の需給見通しと安定供給対策、政府の節電要請、及び泊原発の再稼働に期待感を示した経済産業副大臣の発言に、どのような見解をもっているのか、伺います。

2つは、原発依存のエネルギー政策を転換し、安全な自然エネルギーの本格的普及に軸足を移す対策が欠如している問題です。この7月から自然エネルギーの固定価格買取制度が発足し、風力で北電の買い取り枠20万kwを大幅に上回る187万kwの応募があり、太陽光も90万kwの売電希望があるとされています。しかし、北電は、太陽光は夜間発電できない、風力は風次第で不安定で変動するなどとして、自然エネルギーの本格的普及に消極的で、あくまで原発に固執する態度です。しかし、福島原発事故後の世界の流れは、ドイツやスイスなどにみられるように、期限を決めて原発から撤退し、再生可能な自然エネルギーの本格的普及に転換する方向です。わが国でも、原発からの撤退を決断し、自然エネルギーの本格的普及に軸足を移すべきと考えます。この対策を需給見通しにもしっかり位置づけるべきと考えます。貴職の見解を伺います。

3つは、この際、世界でも異常な人間の摂理にも反する24時間型社会に象徴される日本のエネルギー浪費型社会を大本から見直し、低エネルギー社会へ踏み出すべきだという問題です。今回の需給見通しには、この視点が全く欠落しています。この際、人間の健康を破壊する深夜労働の規制やテレビの深夜放送や無制限に増え続ける自動販売機の規制など、ただちに低エネ社会に向かって踏み出すべきと考えます。貴職の見解を伺います。

2、泊原発の廃止、廃炉、大間原発の建設中止について
 夏に続き今冬も泊原発なしに電力はまかなえる需給見通しです。フクシマ後の国民世論も道民世論も、即時原発廃止、泊原発の全廃・廃炉、大間原発の建設中止が圧倒的多数です。国に向かって、泊原発をただちに廃止し廃炉に向かうよう、また、大間原発の建設を中止するよう求めるべきです。貴職の見解を伺います。

3、幌延深地層研究センターの廃止について
 日本学術会議は9月、核廃棄物の深地層処分の白紙からの見直しを国(原子力委員会)に提言しました。また、政府は、幌延深地層研究センターの地下施設建設事業が、地下水対策にてこずり、計画以上に事業費が膨らんでいることを認めています。地震や地質の専門家からは、サロベツ断層帯では、マグニチュード7.6程度の大地震が10万年間に12~25回発生すると予測され、幌延の地質も地層も地層処分場には「不適地」だと指摘されています。このような場所に地層処分する場合を想定している事業をすすめることは無駄であり、ただちに中止を求めるべきと考えます。貴職の見解を伺います。

                                    以上