2013年10月11日金曜日

道に泊原発再稼動を容認しないことを求める申し入れ

2013年10月9日

10月9日、原発問題全道連絡会と労働組合北海道総連合は、北海道知事に対し、以下の申し入れを行いました。



北海道知事
高橋 はるみ様
                     2013年10月9日 
    原発問題全道連絡会
                            代表委員  大田  勤
                             “    菅野 一洋     
                             “    畠山 和也
                          労働組合北海道総連合
                            議長    黒沢 幸一
泊原発の再稼働を容認しないこと等を求める申入れ
 福島原発事故から2年半余が経過しますが、いまだに事故原因は未解明のまま、15万人もの県民が県内外に避難を強いられています。汚染水の流出は止まらず、貯蔵タンクからも漏れ出し、流出水の一部は海へ流入するなどこれまでの世界の原発事故にもなかった危機的状況にあります。福島原発事故は、原発と人間社会は共生できないことをはっきり示しました。
ところが、国も東電も、電力各社も、汚染水対策は二の次に、再稼働ありき、海外輸出ありきの暴走を続けています。これに対し厳しくチェックすべき原子力規制委員会も、福島原発の事故原因が未解明のまま拙速に新規制基準を作成・決定し、世界でも最高水準の安全性を保障するものだとしています。しかし、新規制基準の内容は、二度と起こしてはならない過酷事故が起きうると想定したもので到底安全性を保障できるものではありません。過酷事故対策としての免震重要棟や第2指揮所、フィルター付ベントの設置、防潮堤の建設などは、最大5年間の猶予を許すなどというものです。いつ起きるかわからない過酷事故の対策に、猶予期間を設けるなどは論外です。
また、規制委員会は、原子力防災計画や避難計画は、道府県や市町村の任務であり、規制基準による適合審査とはリンクしないと言い、危機的状況にある福島原発事故の汚染水対策を後回しにし、規制基準による適合審査を優先して推進しています。アメリカの原子力規制委員会が、防災計画や避難計画の安全性が保障されなければ、原発の立地も稼働も認めないという態度をとっているのと対比しても、規制機関のあり方にはあまりにもひどい違いがあります。
こうしていま、北海道と道民の前に、泊原発の再稼働を容認するのかどうか、原子力防災計画や避難計画の安全性が保障されなくても、泊原発の再稼働を容認するのかどうか、原発依存のエネルギー政策を続けるのか、それとも原発依存を止めて、安全で再生可能な自然エネルギーの本格的普及に転じるのかどうかが、鋭く問われています。
以上の点をふまえ、次のことを申入れます。
1、福島原発事故の教訓に立って、泊原発の再稼働を容認せず、停止している今のまま廃止・廃炉を決断するよう国と北電に求めること。北電に対して、再稼働申請を取り下げるよう求めること。
2、原子力規制委員会に対して、7月に施行された規制基準が、2度と起こしてはならない過酷事故が起きうることを想定した、安全性を保障できない抜け穴だらけの基準であることを直視し、原発立地県の知事として、二度と過酷事故を起こさない基準に抜本的に見直すよう求めること。
3、泊原発から30キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)にある後志管内13町村の原子力防災計画や避難計画の安全性の検証抜きに、泊原発の再稼働を容認しないこと。
4、泊原発の稼働がなくても電力はまかなえる現状を踏まえ、ただちに泊原発ゼロを決断し、安全で再生可能な自然エネルギーの本格的普及に転じること。北電に対しても、原発依存を止めて、石狩湾新港地区に建設予定のNLP(液化天然ガス)火発を前倒しで建設するよう求めるとともに、原発再稼働のためにつぎ込んでいる巨額の資金を、自然エネルギーの本格的普及や送電線網の整備に振り向けるよう求めること。
                                        以上