2017年6月23日金曜日

原発問題連絡会ニュース 第285号2017年6月20日


畠山和也衆議
―北海道の再生可能エネの可能性と

 北電の再稼働申請の問題点
   (積丹半島の隆起、液状化の影響)を質す
 

 畠山和也衆院議員は5月31日、衆院経済産業委員会で、北海道の再生可能エネの賦存量は大きく、泊原発がなくても発電容量は十分ある問題と、北電の泊原発の再稼働申請にのぞむ調査能力に問題あると、田中俊一原子力規制委員員長や世耕弘成経産大臣にただしました。

質問する畠山議員


風力発電建設の

 環境アセス実施中の4分の1、
                255万kwが北海道

 


 畠山議員:風況がよい道北地方の送電設備の整備状況の現状、北海道の再生可能エネの賦存量は?。
  
 藤木政務官:北海道と東北地方で風力発電のための送電網整備実証事業を進めており、道北地方は、北海道北部風力送電株式会社が設立され、昨年度対象地の大半で環境アセスの手続きを終え、今年度から用地買収に入っているところ。北本連系線は、現在60万kwで、これを北電が30万kw拡張し90万kwに増強するということで2014年4月に着工、2019年4月運転開始を目途に工事が進捗中。
 
 畠山議員:北海道における再生可能エネルギーのポテンシャルを示す数値
         はどうか。
 
 藤木政務官:北海道はとりわけ風況がよく風力発電のポテンシャルが大きい。環境アセスを基準にとると、いま全国で風力発電の環境アセス実施中事業が約1100万kwあり、このうち約4分の1の255万kwが北海道に立地している。
畠山議員:泊原発3基の発電量が207万kwであり、環境アセス実施中の風力発電だけでこれを上回っている。他にも中小水力発電、木質バイオマス発電、地熱発電などもあり、電力自給率100%超の町村が道内に苫前町、幌延町など8つ。北海道の再生可能エネの可能性について大臣の認識は?。
 
 世耕大臣:再生可能エネの一つの大きな可能性は、地産地消で、その地域の電力をカバーして地域の活性化につなげる。自給自足自治体が8つもあると伺い、北海道はもともと場所も確保しやすいし風況がよいから風力発電の適地だと思う。広域では送電網がぜい弱だから拡充が必要で、北本連系の活用も拡充も必要になる。そういう手だても必要だ。
 
3月の審査での地震性隆起か広域性か?
防潮堤の液状化や防波堤の破壊・流動の恐れなどの問題点を示し、
            北電の申請を却下すべきと指摘

 

 

 畠山議員:再稼働審査申請から4年になろうとするが、泊原発はいまだに申請が認められる状況からほど遠い。まず、規制員会から北電に指摘した問題点や北電が問題としている点などについて聞きたい。


田中原子力規制委員長:3月10日の審査会合で、規制委から北電に対して2点を指摘した。1つは、積丹半島の海岸地形が隆起している原因で、北電は広域の隆起等によると説明してきた。それに対し、海上音波探査の結果とか、海岸地形、微小地震分布等から、積丹半島北西部に断層を想定して地震動評価をすべきではないかと指摘した。もう一点は、泊原発の前面の海上は大体埋立地で、そこに防潮堤を設置しており、その液状化について評価し説明するよう指摘している。


畠山議員:広域的隆起かどうかに関して、泊原発敷地内に数本の断層が存在するが、岩内層を切っているF1断層が活断層である可能性が科学者の意見としてある。北電は、岩内層は、向かい岸の岩内台地と同じ層だと主張し、岩内台地の外来礫(石ころ)の年代を測定し120万年前のものだから活断層ではないとしている。しかしそれは礫(石ころ)の話であり、岩内台地の砂の層を評価したものではない。これは違うという意見が科学者から出されるのは当然だ。この科学者の指摘、知見を審査の中で取り上げる必要性は?。

田中委員長:F1断層は破砕帯だが、その年代評価について、今もう少し詳細にデータをきちっと評価するよう求めているところで、まだ審査途中だと理解してほしい。
畠山議員:科学者の指摘も取り上げて検討してほしい。規制委としての現地調査も欠かせない。半島の段丘の掘削調査も必要では?。
田中委員長:年代の測定にはいろいろな方法がある。そういう調査は基本的には、まず事業者(北電)が行うべきで、それに基づいて現地調査を含めて評価していく。
畠山議員:北電の調査能力に疑問を持った。近海底の活断層の疑いを規制委がデータを示して説明したと聞いている。そのデータの出どころはどこか。
田中委員長:規制委が新資料を出したのではなく、北電のデータの中から評価して示したものだ。
畠山議員:すべて北電の資料だということだが、微小地震分布、海底地形の露岩域、つまり盛り上がっているところ、そして歪みー北電が提出した3つの資料を照らし合わせたら一致する。だから規制委が泊原発から20数キロ離れた地点に活断層の疑いがあると指摘したのは当然だ。ところが北電は「寝耳に水だ」のコメントを出した。自分たちが出したデータを読み込めないのか、北電の調査能力に疑問を感じる。規制委で、申請やり直し、却下するぐらいが必要でないか。 
田中委員長:今のような議論は、これまでもいろいろな原子力発電所の審査で多々あること。現段階では北電が、規制委の質問に答えるべく、色々調査中と理解している。
畠山議員:北電から出された資料から液状化について聞きたい。建設前の空撮写真を見れば埋立敷地の上に防潮堤を建設している。審査の中で液状化のことが出されたが、防潮堤だけでなくその他の重要な施設も含めて液状化問題を調べる必要がある。防波堤の崩壊、流動、取水口塞ぎの恐れは北電も認めているが、液状化では取水もできず車も入れなくなるのでないか。
田中委員長:液状化の恐れの懸念があり、北電のきちっとした対応を待っている。
 畠山議員:北電には“やらせ”や”労使協定違反の長時間残業“などあり、「原発を動かす事業者として問題だ」と述べました。
 
 
 
 
"泊原発を再稼働させない道民署名"に取組みます
 ―6月17日「泊原発を再稼働させない北海道連絡会」が確認 ―
 5月14日52団体で結成された「泊原発を再稼働させない北海道連絡会」(市川守弘代表)は6月17日、札幌市内で会議を開き、当面の運動として、「泊原発を再稼働させない道民署名」(略称“再稼働させない署名”)に取り組むことを確認。署名の提出先は、北海道知事で、要請事項「泊原発を再稼働させないで安心して暮らせる北海道にして下さい」と3つの趣旨などを論議しました。
 
 
《地域の会の活動紹介》 
 原発問題後志住民の会が5月27日に開催した学習会の模様を紹介します。
泊原発再稼働してはいけない8つの理由学習会開催
       ―大変好評でした 原発問題後志住民の会
 
 5月27日、岩内町老人福祉センターで『原発問題後志住民の会』がよびかけて、「行動する市民科学者の会・北海道」の斉藤海三郎代表を講師に、「泊原発 再稼働してはいけない8つの理由」の学習会を開催しました。

 当日は、原発問題後志住民の会の総会が行われ、その後続けて学習会を開催。学習会には神恵内村、蘭越町、寿都町、倶知安町、余市町、仁木町、ニセコ町から40人を超える方が参加しました
「泊原発 再稼働してはいけない」学習会風景
 
斉藤さんのお話は、2部構成で、最初に「泊原発なしでも北海道の電力は、こんなに余裕があり、将来は有り余るほどになる」と今後10年間の電力供給の見通しについて、国の認可法人「電力広域的運営推進機関」が指摘した「泊原発が再稼働しなくても北海道の電力供給量は余裕がある」と豊富な資料をパワーポイントで写しだしながら説明しました。
 
 
 
第2部では、斉藤氏は、泊原発が立地している積丹半島の海岸地形が隆起した原因について、北電は広域的隆起によるもので活断層の地震によるものではないと説明してきたが、「泊原発の敷地内には活断層があり、これまでの北電の主張は誤りだ」と指摘し、「積丹半島の地形は、広域的隆起でなく地震性隆起を示している」と説明。この説明に、参加者は再稼働反対の運動に確信を得ました。
 
また、北電が、原子力規制委員会から「海上音波探査の結果や海岸地形、微小地震動分布等から、積丹半島の北西部に断層を想定して地震動を評価すべきでないか」という指摘を受け、これまでの評価の見直しを進めるに至った経過を時系列的に説明され、再稼働をすすめる北電の姿勢に事業者として大きな問題があるとの理解も深まりました。
参加者は「わかりやすい話しで納得できた」「この話を地域の皆さんやたくさんの人に聞いてもらいたいね」と大好評でした。「今後も各地でこの学習会を開きたいね」との声も広がりました。
 
 
《道原発連ニュースにみる道原発連の歩み 第10回》
 
 
 今号では、1991年1月から12月までに発行された第20号から32号までを振り返ります。
91年2月の美浜原発2号機の蒸気発生器細管破断事故を契機に
          「原発の危険に反対」する運動が全国的課題に
 泊原発2号機の試運転期間2カ月短縮問題で北電に緊急申し入れ

 第20号(91年2月11日)では、北電が、泊原発2号機の試運転期間を2カ月短縮し91年4月から営業運転に入るように変更したことを重大視し、2月6日、北電と横路知事に緊急の申入れを行なったこと、申入れには4月の統一地方選挙を前に、斉藤敏夫氏(道原発連代表委員、道知事選予定候補)と佐藤富士夫氏(札幌市長選予定候補)らが参加し、2カ月短縮の理由と試運転時の点検項目公表、安全性確保策を要求。北電は、短縮理由は「建設期間が短くなったから」とだけ答え、点検項目公表は拒否したことを伝えています。

 安全性総点検、資料の公開を―美浜事故で齋藤敏夫氏、大橋晃道議が談話 

 91年2月9日、関西電力美浜原発2号機で蒸気発生器細管破断事故が発生。1次冷却水が2次冷却系に20トン以上も大量に流入、冷却水の放射能が異常値を記録、原子炉内の圧力低下、自動停止、緊急炉心冷却装置(ECCS)作動と、初の重大事故が発生しました。第21号(2月13日)は、この問題について、齋藤敏夫氏(道原発連代表委員)と大橋晃道議の談話を紹介。第22号(3月1日)には、2月21日に泊原発で低レベル核廃棄物をアスファルトに混合して固化する施設で、点検中にアスファルトが飛散し作業員が顔面受傷した事故について、作業の安全性に問題があると北電に「一方的報告ですまさず、情報公開をすべき」と求めています。

美浜原発型の大事故につながる恐れ 
     ー 泊原発のタービン静翼破損事故で重大警告を発す

第25号(5月8日)は、4月27日泊原発1号機の低圧タービン静翼の亀裂事故を報道し、これが美浜原発事故型の大事故につながる恐れがある重大事故だと警告。続く第26号(5月14日)では、この問題での北電への申入れ(5月8日)と泊村(漁民センター)での現地学習会・抗議集会(5月11日)開催、第28号(9月18日)には、泊2号機でもタービン静翼亀裂発生を報道しています。

『原発がある・ない』を問わず全国的に大きく運動をすすめよう―」
                   全国センターの訴えを全文紹介

第23号(3月8日)には、原発問題住民運動全国連絡センターが2月26日発表した「『原発がある・ない』を問わず全国的に大きく運動を進めようー美浜2号機の蒸気発生器細管破断事故の発生に際してー」の全文を紹介。この訴えは、①原発の安全神話から決別し、事故原因の徹底究明と加圧水型原発の蒸気発生器細管の抜本的見直し、②米ソ2大原発事故の教訓を組み込んだ安全基準による総点検の実施を、③緊急時に実効性のある避難・防災対策の確立を、④『原発の危険に反対する緊急要求』署名運動の全国的な展開を―呼びかけています。第29号(10月19日)には、全国交流集会での緊急時対策要求のアピール採択、第31号(12月7日)には、全国センター第5回総会で「原発の危険に反対、緊急時対策を」の方針を確立したこと、道原発連がヨウ素剤問題学習会を開催したことも紹介しています。
(米谷道保 原発連代表委員記)
 
 
 
 
北電株主総会会場前宣伝行動
 
―泊原発を止めて、再生可能エネルギーに転換を
◇日時  6月28日(水)午前9時~10時
◇場所  札幌ビューホテル大通公園前歩道
◇行動  横断幕掲げ、リレートークなど
 

原発廃炉でいいでないかい!in岩内

 

―泊原発止めよう!
☆日時:8月19日(土) 12時~ロックバンド集会ほか
    8月20日(日) 10時~15時。集会とパレード
☆会場:岩内町岩内港旧フエリー埠頭緑地公園
☆主催:後志・原発とエネルギーを考える会
 



 


2017年5月26日金曜日

原発問題連絡会ニュース 第284号 2017年5月20日



フクシマから6年余、「二度と同じ苦しみ味わってほしくない」
               との被災地の願いに応え

泊原発は再稼働せず廃炉を決断し、
    再生可能エネルギーに転換すべき

   ―道原発連が19日、北電と道知事に申入れー



 福島原発事故から6年余、今も7万人超える県民が避難を強いられ、早期帰還と支援打ち切りがセットで押し付けられているなか、道原発連は5月19日、泊原発の廃炉や実効性ある避難計画と防災訓練による検証などを求め、北電と道知事に申入れました。大田勤、黒澤幸一、米谷道保代表委員のほか佐藤久志事務局長、長屋いずみ北区生活相談室長ら7人が参加しました。



北電への申入れ ~ 積丹半島西岸が地震性隆起なら原発立地は不適では? 



 まず原発連は、原子力規制委員会が積丹半島西岸の地形が地震性隆起の可能性を否定できないと指摘しており、そういう場所に原発を立地することは不適でないかとただしました。これに対し北電は、規制委が示した地質図などに基づき安全性をより高める観点で考え方を整理中であり、整理が出来次第規制委に回答すると述べるにとどまりました。
北電に申し入れ文を渡す黒澤幸一氏



  防潮堤の液状化や防波堤の破壊、流亡については調査中



規制委から防潮堤の液状化の恐れが指摘されたことについて北電は、「複数の手法で説明すべき」と指摘があり、今必要な調査や試験、専門家の意見や他電力、電力中央研究所などの意見も聞きながら調査している。防波堤については、津波で損傷した場合の影響や安定性、移動や沈下の可能性があり、いま水理模型実験中で、その結果がでたら審査会合で説明するーなどと答えました。


 労使協定超える長時間残業は是正しているが、新36協定は公表できない!とは?

札幌中央労基署から是正勧告を受けた労使協定の残業限度時間数を超える長時間残業については、「真剣に是正に努めており、2月度は80時間を超える者はいなかった」と回答としました。しかし、今年4月からの新労使協定の内容は公表できないと拒否。その一方で「健康が第一だから月45時間を超えないよう努力中」と弁明。黒澤幸一代表委員(道労連議長)が、「4月以降の労使協定が改善されたのかどうかくらいは明言すべきだ」と迫りましたが「協定内容は公表しません」「健康第一で限度時間を守るよう努力中」に終始しました。


 道への申入れ ~「国が責任もって対応すること」
 「規制委が審査中で予断持っては言えない」~道民の安全に責任ないの?


道には、「泊原発は再稼働せず廃炉の決断を」「再稼働の地元了解の範囲は?」「道独自に再稼働の是非を判断するために、新潟県知事の例を参考に独自に3つの検証委員会設置を」「防災訓練は実効性を検証できる内容に改善を」「安定ヨウ素剤は事前配布を」などを求めました。
しかし道は、「再稼働の是非や地元了解の範囲は国が責任もって示すべきこと」「地元了解は、道議会の審議状況を踏まえ判断する」「3つの検証委員会設置は考えていない」「安定ヨウ素剤の事前配布は、規制委から服用のタイミングが指示される。いろいろなケースに応じ対応する」など、道民の安全に責任を負う姿勢が感じられない答弁に終始し、参加者から「これほど国任せとは」「道民に責任を負う姿勢がまったく感じられない。ひどすぎる」と怒りの声があがりました。



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「泊原発を再稼働させない北海道連絡会」がスタート


昨年11月以来3回の設立準備会などで準備を進めてきた泊原発を再稼働させない一致点での共同組織・「泊原発を再稼働させない北海道連絡会」が5月14日、52団体の加盟で結成集会を開催してスタートしました。さっそく5月19日には道知事宛てに泊原発を再稼働させないようにとの申入れを行ないました。

  北海道連絡会の代表には、市川守弘さん(泊原発の廃炉をめざす会共同代表・弁護士)を選出、5団体(泊原発の廃炉をめざす会、Shut泊、後志原発とエネルギーを考える会、21世紀の未来を拓く会、原発問題全道連絡会)が幹事団体に承認され、泊原発の廃炉をめざす会以外の4幹事団体から副代表を各1名選出、道原発連からは米谷道保代表委員が副代表に選出されました。

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被ばく2世、3世を含む被災住民の
        健康障害は一層深刻
「チェルノブイリ30年に学ぶ」講演会で
         室崎和佳子さん熱く語る
―道原発連・国民大運動道実行委共催で
        チェルノブイリ原発事故31周年記念講演会




講演する室崎和佳子さん
 4月26日夜札幌市内で、チェルノブイリ原発事故31周年メモリアル講演会が開催され、約30数人が参加、昨秋チェルノブイリ原発事故30周年記念現地調査団(ユーラシア協会と原発問題住民運動全国連絡センター共催)に参加し、ウクライナとベラルーシの2か国を訪れた江別市在住の室崎和佳子さん(元教員)がパワーポイントで現地の写真を示しながら講演、参加者は最後まで熱心に視聴しました。(写真) 



 室崎さんは、冒頭「訪問した2つの国は、人類史上最悪の放射能被害を蒙ったが、人災事故から30年がたち、被爆2世、3世を含む被災者の健康被害は一層深刻さを増しています」「健康障害は、甲状腺がんだけでなく、様々な病気も広がり、今が一番深刻だと言われるような実態があります」と講演を始めました。



ベラルーシでは保養施設「サナトリウム希望21」に希望を感じる一方、国立と民間の支援施設の落差の大きさに胸が痛む



最初の訪問先はベラルーシの子どもの保養施設「サナトリウム希望21」。ここは1994年国際プロジェクトとして6歳から17歳までの子どもを放射能から守るために設立された保養施設で「24日間の保養期間中に98%の子どもに健康回復の効果がある。とくに頭痛やめまいの減少などがみられる」と胸を張る広報担当職員の笑顔に希望を感じた。

次の訪問先、民間のベルラド放射能研究所では、政府がチェルノブイリ原発事故の実態を国民に知らさず支援も不十分な中、自前のホールボデイカウンターなどを購入し、自動車に積んで村々を回って測定し、放射能汚染を減らすビタペクトを開発、製品化して子どもたちに配るなど被災者に寄り添った活動に頭が下がった。

ところが次に訪問したベラルーシ国立放射線生物学研究所は、被災者のための研究所といわれたが、まず御殿のような巨大な建物に驚く。応対したのは副理事長1人で、大講堂のような大会議室の檀上から紳士服姿で、「汚染地帯に住んでいる人に健康の問題はない。あるとすれば放射能のせいだと気にしすぎる精神的な問題だ」などと講演。ルカシェンコ長期独裁政権下での被災者支援の後退の深刻な実態を目の当たりにして落胆と怒りで涙が出たと語りました。



ウクライナでは、チェルノブイリ原発4号炉を見学後、被災者支援優先の国立放射能医学研附属病院を訪問し救われた思いに



訪問国・ウクライナでは、まずチェルノブイリ原発4号炉を視察。しかし、石棺崩壊が進み見学は短時間に制限され、建設中の新巨大シェルターを一望できたが、廃炉作業の困難さを痛感させられたと報告(視察直後の11月末にシェルター完成し4号炉を覆った)。

最後の訪問先は、ウクライナ国立放射能医学研究所附属病院。所長(医師)はじめ所員5人が出迎え、「この施設は事故直後の86年10月に完成し30周年を迎えた。設立当初からヒロシマの被ばくの影響の研究にお世話になりました」と感謝の言葉から始まり終始和やかな雰囲気で見学。所長さんなどから「この病院は被災者の健康回復を最優先に取り組んでいる。低線量被ばくでも白血病、甲状腺がん、乳がん、白内障の発病があることがわかってきているがWHOやIAEAは認めていない。世界の流れが、放射能の他に原因があると言い、世界は私たちの研究を認めてくれない」「しかし病院のベッド大人用400床、子ども用130床は、すべてチェルノブイリ被災者のために使っている。チェルノブイリ法が被災者への優遇措置を決めているから当然です」などとの説明に救われた思いがしたと報告してくれました。



チェルノブイリ法の2つの特徴に感銘――国が全責任を負っている。被災者の範囲が広範囲に及び今も支援を継続


最後に、チェルノブイリ法に触れて室崎さんは、2つの特徴、①国が責任をもって被災者支援を行うことを法律に明記、②被災者の範囲が広範な被災地に住民を対象にしていることーと紹介し、国が責任を負わない日本の福島被災者子ども支援法との落差の大きさに触れて、日本の課題だと思うと語って講演を終了、大きな拍手がわきました。室崎さんは講演後の質問にも丁寧に答えました。



連係が求められる2つの大間裁判
    町会連合会が秋にも3回目の市民集会開催を計画


大間原発訴訟の会が国と電源開発を相手に、建設差し止めを求めている27回(2月21日)と28回(2月22日)の口頭弁論が行なわれました。2日間原告側証人である専門が変動地形学の渡辺満久東洋大学教授の反対尋問と被告側証人である山崎首都圏大学東京の名誉教授と同じく被告側の証人として出廷した電源開発の職員2人の主尋問および反対尋問が終日行なわれました。


6ヶ月間行なわれた証人尋問は、すべて終了し、6月30日の最終の口頭弁論では3人の原告が意見陳述を予定しています。大間原発訴訟の会では、来春の判決が出るまでの1年間を重視し、学習会、公演、宣伝などを強めて、多くの人たちに運動を広げることとしています。

函館市が提訴している大間の裁判は、4月21日第12回口頭弁論が東京地裁で行なわれました。原告(函館市)側は、事前に提出されている準備書面21~23の内容に沿って2人の弁護士がプレゼンテーションしました。書面21では、原発建設位置が、伊方原発最高裁判決や確立された国際基準に従わなければならないにもかかわらず、万が一にも事故が起こらないための審査が不十分であり、最悪事故が起きた時の対応策も取られていないと主張しました。また新規制基準も本来あるべき立地審査指針を放棄していると述べました。書面22では、避難基準が確立されていないため、函館市が地形や人口、避難ルートなどから緊急の避難計画は不可能と述べている点についても立地審査の対象としていないことを告発しています。書面23では、原発事故は、他の科学的な技術の利用に伴う事故と比較し特殊性があり、不可逆・甚大性、広範囲性であり、しかも長期にわたり都市そのものを破壊する異質なものであると述べ、司法に他の科学技術と原発事故の違いを判断基準にするよう求めています。
 住民訴訟が6月30日結審、来春までは判決が予定されていますが、判決の結果が、2年遅れで進められている函館市が原告の裁判にも大きく影響することは間違いありません。両裁判の連携が今後も重要です。函館市の町会連合会は、今年の秋にも、大間原発凍結を求めて、3回目となる市民集会を開催し、市民にアピールすることとなっています。(紺谷克孝函館市議・道原発連理事)

2017年5月9日火曜日

原発連ニュース 第283号2017年4月20日 その1


とめよう!原発再稼働 かえよう!福島切り捨て政治
「原発ゼロ・100万人署名」を集め国会に送ろう!             
    ―国と東電が責任を果たせ!福島第一原発事故は人災だ!―

 原発をなくす全国連絡会とふくしま復興共同センターが呼びかけている「原発ゼロ・100万人署名」は、昨年10月にスタートした約半年、3月11日には原発事故から6周年となり、全国全道各地で多彩なメモリアル行動が取り組まれ、この国会請願署名も街頭からも広範な道民に広く訴えられました。国会最終盤となる6月7日に国会提出行動が予定されています。これに向けてさらに勢いをつけましょう。

 

 

 
 

 
 

 


3・11メモリアルデー軸に街頭にも出て署名を広げ、
                       全道で5千筆超えるー新婦人道本部


昨年来いち早くこの署名に取組み始めた新婦人道本部は、事故から丸6年となる今年の3月11日の節目には全道各地でメモリアル行動に取組むなど、多くの所で街頭からの運動も広げ、これまでに5000筆を超え牽引車の役割を発揮しています。

 北海道民医連は、全道2万筆の目標で、加盟の法人や病院、診療所、介護保険施設などにも署名用紙を置くなど、来院者が気軽にサインできるようにして着々と署名を積み上げ、全道で5000筆を超えて前進しています。

原発をなくす地域連絡会では、十勝連絡会が5000筆を目標に決めて、3月12日には数十人が帯広駅前に集り、横断幕を掲げリレートークとチラシ配布をしながら元気によく署名を訴えました。ほかに、「原発ゼロ」をめざす深川実行委員会や脱原発・自然エネルギーをすすめる苫小牧の会、やめよう原発!登別の会なども毎月の例会や福島原発事故6周年のメモリアル行動などとも結んで会員の協力で署名を推進しています。道原発連は、毎月2回の昼休み宣伝署名行動を軸にこれまでに約800筆を集約、国民大運動北海道実行委員会の全道集計は、約1万2千筆となっています。
6月7日の国会提出行動日に向けて
                         100万人署名を飛躍させましょう!

道原発連はいま、6月7日の国会提出日に向けてあらためて原発をなくす地域の連絡会や地域の会、脱原発の市民団体などに声をかけ、「原発ゼロ・100万人署名」を大きく伸ばそうと、署名用紙やふくしま復興共同センター代表委員、斎藤冨春さん(福島県労連議長)の署名推進メッセージを送付する活動をすすめています。「原発ゼロをめざす旭川連絡会」では、5月から街頭でも署名を予定するなど取組みを強める構えです。なお、集めた署名は「原発をなくす全国連絡会」(全労連内)または道原発連(道労連内)へ送付し、署名の到達数は国民大運動北海道実行委員会の三上友衛事務局長(道労連内)へお知らせください。
 
 
 
 

原子力規制委
―積丹半島西岸の
     地震性隆起の可能性を指摘
―北電~規制委の指摘うけ、海底活断層の存前提に対策とる方向へ転換―

 原子力規制委は3月11日の審査会合―で、泊原発が立地する積丹半島西岸の隆起について、地震性の可能性を否定できないと指摘しました。ところが北電は審査会合の直後に、「あくまで広域的にゆっくり隆起した」とする広域隆起説に固執し「規制委の指摘は残念だ」と無視するかのコメントを出しました。しかし、道知事の「規制委審査を重く受け止めるべき」とするコメントもあり、数日後一転して規制委の指摘を受け入れる方向に転換、泊原発から10キロメートルほどの海底に活断層が存在するとの前提に立って対策をとる方向へ転換したと報じられました。
 しかし、地震性隆起を受け入れることは、12万5千年前以降からの何度かの地震によって積丹半島西岸が数十メートル~100㍍程度隆起したことになります。地震でそれほど隆起する場所に原発を立地すること自体あってはならないことではないでしょうか。単に海底活断層の存在を前提に耐震強度を高めれば済むような問題ではないはずです。
 
 
―再稼働に向けた対策強化でなく、今こそ再稼働せず廃炉を決断すべき―

 さらに規制委員会の指摘を受けて北電は、16・5㍍の高さに積み上げた防潮堤が地震によって液状化し、2~3㍍も沈下する可能性や神恵内の川白地区の大規模な山体崩落と地震による津波が合体する大津波で専用港の防波堤が破壊され西側へ数十メートル流され3号機の取水口を塞ぐ恐れもあるとの指摘も受け入れ、必要な再検証や対策を講じるとしています。これらの新たな動きは、昨年北電が実施した64回にも及んだ泊原発の安全対策等に関する地域説明会(4月~9月)の際には、一切説明されなかったことです。こうして泊原発の再稼働の時期がいつになるかますます見通せなくなっており、少なくとも2018年以降になるのが必至との見方が広がっています。
今年7月には再稼動申請から丸4年となります。北電はこれまでに安全対策に2000億円を超える巨額の資金を投じてきたと言われています。それでも再稼働の時期が見通せないとは一体どういうことでしょうか。世界有数の地震列島、津波列島と言われる日本に、原発を安全に立地できる場所はないということではないでしょうか。北電は、再稼働ありきの姿勢を根本から見直し、電力不足も起きなかったし今後も起きない見通しが示されている今、きっぱり再稼働を断念し、即時廃炉を決断すべき時ではないでしょうか。
 
 
 

北電の広域隆起説を覆す地震性隆起か?

     菊地葉子道議らの神恵内大森トンネル
                                                             異常隆起現地調査に同行して
 4月13日菊地道議(小樽市区選出、道原発連顧問)らが、「西積丹の活断層を考える会」の滝本正雄代表らから後志管内神恵内村の国道229号のキナウストンネル内で異常隆起が10年以上続き、連続する大森トンネル内でも、3、4カ所の段差や亀裂等があるという情報を受け、現地調査に入りました。調査には菊地道議のほか酒井隆裕小樽市議、大田勤岩内町議(道原発連代表委員)、大石美雪岩内町議(道原発連理事)、「行動する市民科学者の会・北海道」代表の斉藤海三郎さん、原発問題全道連絡会の佐藤久志らが同行しました。
隆起箇所がトンネル内ということもあり車で走行しての確認が主でしたが、それとわかる揺れを確認、目視もおこないました。滝本正雄さんは、「まだ出来て10年ほどの新しいトンネルだが、ここ2年程前から10cm弱ほどの隆起で段差が生じている。地震性の隆起であることは明らかだと思う」と言います。滝本正雄さんらは、すでに原子力規制委員会や北電、道などに申し入れを行い、国道の管理者である北海道開発局道路事務所に隆起の実態を確認するとともに、北電に対して隆起の原因の調査を指示することなどを申し入れています。
原子力規制委員会は、「行動する市民科学者の会・北海道」や滝本正雄さんらの申し入れのあと、昨年7月と10月の2度にわたって積丹半島西岸の現地調査を実施し、積丹半島西岸の地形は「地震性隆起であることも否定はできない」との見解を北電に提起していると伝えられています。
 菊地葉子道議らは近く北海道開発局岩内道路建設事務所を訪れ、トンネル内の隆起の実態と原因などについて説明を求める予定となっています。(佐藤久志)
 
 
 
 
 
 
 
 

 
《地域の会の活動紹介 ①》
3・11フクシマを忘れない!苫小牧集会
地脇美和さん(福島原発告訴団事務局長)迎え
映画と講演会 午後2時20分に黙とう
  脱原発・自然エネルギーをすすめる苫小牧の会は、今年もフクシマ原発事故から6周年となる3月11日、市民会館で講演会を開催。予想を超える150人余が参加し、DVD「奪われた村 避難5年目の飯舘村民」を観た後、午後2時20分に全員で黙とう。
その後、地脇美和さんが講演し、「7年目のフクシマ」の現状をリアルに報告、多くの感想が届けられ、参加者から2万円を超えるカンパも寄せられました。
寄せられた感想からー◎子供のいじめに心が痛む(50代)、◎汚染土の再利用は初めて知った。チェルノブイリの事故が生かされていない。◎DVDで帰るところが無くなった、土地、家が亡くなり住めなくなった.と知った。私たちだっていつ何が起こるか。◎新規制基準なんて何の意味もないのだ!福島の現実を知って驚いています(60代)。◎妨害に負けず闘いに挑む地脇さんに感動―などなど。
 


《地域の会の活動紹介 ②》
『福島原発事故から6年、今何を考えるべきか』
 ―吉井英勝元衆院議員の講演に116人
   ―「原発をなくす十勝連絡会」が講演会―
  2月18日帯広市内で講演会を開催し「福島原発事故の被害の実情や事故原因の解明と補償、原発事故から抜け出す地域経済」について元衆院議員の吉井英勝さんがわかりやすく語り感動を呼びました。
「賠償負担を含め原発コストが安くないことが胸に落ちた」「廃炉にしないと子孫に核のごみを残すだけであり政府にも警告したい」「再生可能エネルギーで地域を活性化させ、若者がふるさとで生活できる地域づくりを」「福島の人たちの努力を日本全体でカバーすべき」などの感想が多数寄せられ、新しく12人の入会もありました。
講演会後に第4回総会を開催、ふくしま復興共同センターの100万人署名目標5千筆とする運動方針を決め、新役員選出も行いました。

原発・核燃サイクルから撤退」の合意形成をめざしてー
「チェルノブイリ原発事故から30年に学ぶ」講演会
◇と き  4月26日(水)18時30分開会
◇ところ  札幌エルプラザ(環境プラザ)2階環境研修室
◇講師  室崎和佳子さん
  教員退職後2013年9月にチェルノブイリ原発と周辺の汚染地帯を視察。「セシウム137排出促進剤ビタミネペクト」を子どもたちに配りました。  
<資料代 300円>


【原発連ニュースに見る道原発連の歩み  第9回】

原発にも核燃サイクルにも反対つらぬく 
                 米谷道保(道原発連代表委員)

 今号では、1989年~1990年に発行された原発連ニュース第7号(89年5月31日)から第19号(90年12月15日)に示された主な歩みを振り返り、あらためて道原発連が発足以来、原発・核燃サイクル推進にきっぱり反対してきたことを紹介します。
 

「原発の危険に反対」の大運動を呼びかけ

 原発連ニュース第7号は、政府・電力資本による「安全神話」前提の原発推進政策の転換を!との大見出しを立てて、「最近の福島第2原発の重大事故など、各地での原発事故の頻発が、ほとんど毎週といってよいほど、新聞各紙に報じられ」るなか、「総理府の調査でも86%の道民が、原発事故に不安を感じています」「それにもかかわらず、北電は計画通り6月下旬、営業運転開始をめざしています」と批判しています。 
そして、「私たちは『泊・幌延』直接請求署名運動の総括の上に、2月の全道代表者会議、3月の総会(第3回)で、①原発問題住民運動全国連絡センターの『原発の危険に反対する緊急要求署名』100万筆、当面6月までに60万筆の達成、②毎月10日を『原発問題全道行動デー』として取り組む」方針を決めたとし、「この署名運動を大きく発展させよう」と運転開始後の運動方針を示し協力を呼びかけています



泊原発1号機の営業運転開始にも
   2号機の試運転・営業運転入りにも厳しく反対・抗議
 ニュース第8号(89年6月30日)では、「泊原発の営業運転開始は許さない」「北電に厳しく抗議」とヨコとタテの大見出しを立てて、原発連が6月19日に北電(本社・札幌、戸田一夫社長)に営業運転開始に反対し、営業運転の中止と運転日誌など安全性を確認する資料の公開を申し入れたと報じています。
 ニュース第15号(90年6月15日)では、「原発推進政策はやめよ」の太ゴジ大見出しで、「6月11日、北電に対し泊原発2号炉の試運転に反対」を申入れたこと、さらに、地元の泊でも2号炉に核燃料を装荷する前日の6月12日、泊原原子力発電所長に「泊原発に反対する後志住民の会」と道原発連共同で、試運転中止を求めて集団交渉を行なっていると報じています。