2015年10月27日火曜日

原発問題連絡会ニュース 第265号 2015年10月20日


〈アピール〉
違憲の戦争法廃止、
  立憲主義回復の政府を実現し
   原発ゼロ・核燃サイクルから
    撤退の道を切り開こう!
    
ー日本共産党の「戦争法廃止の
   国民連合政府実現のよびかけ」に賛同し、
           連帯の活動を広げよう ー

 安倍自公政権による戦争法(安保法制)強行から1カ月。いまも戦争法廃止!安倍内閣打倒!憲法を守り平和と民主主義の日本を取り戻そう!の世論と運動は広がり続けています。また、原発再稼動ストップ!原発ゼロを!の世論は、今も過北海道集会に3500半数を超えています。
私たちがかかげている原発・核燃サイクルから撤退の道は、安倍自公政権のもとでは実現できません。安倍自公政権を倒し、違憲の戦争法を廃止し、立憲主義を回復する政府でこそ実現できるものと確信します。私たちは、9月19日に日本共産党が発表した「戦争法廃止の国民連合政府の実現のよびかけ」を歓迎し、その実現をめざす運動と一体に、原発再稼働ストップ!、原発ゼロ、核燃サイクルから撤退の道を切り開くために全力を尽くす決意です。ともに頑張りましょう。
         2015年10月19日    
           原発問題全道連絡会

STOP!再稼働 NO!戦争法制!
10・10さようなら原発 さようなら戦争 

 10月10日(土)午後、札幌大通公園8丁目広場に全道各地から3500人が参加、原発再稼動反対!泊は廃炉!戦争法制廃止!憲法守れ!安倍はやめろ!など元気にアピールしました。
さようなら原発1000万人アクション北海道実行委員会の呼びかけ人・小野有五北大名誉教授は、「原子力規制委員会は、昨日(10月9日)の審査会合で、泊原発に影響を及ぼすようなものではない」と北電の評価を了承したが、日本列島は4つのプレート境界に位置する世界にも例がない国です。日本には、安全に動かせる原発も核のごみを管理する場所もありません」「規制委員会の判断は納得できません。再稼働反対、原発廃炉実現へ引き続き運動を広げよう」などと訴えました。
ゲスト発言では、大間原発の敷地内のあさこはうすを守って頑張っている小笠原厚子さんに続いて「I 
AM NOT ABE」発言でテレ朝の報道ステーションから外された元経産省官僚の古賀茂明氏が登壇し、「国民のたたかいが野党を動かした。この動きをさらに広げることで政治家は怖くなる。共産党の戦争法廃止の国民連合政府の提案を活かし、安倍政権を倒そう。野党は力を合わせて行こう」と発言しました。
戦争させない北海道委員会呼びかけ人の結城洋一郎小樽商大名誉教授は、「参院選で戦争法を推進した人をおろし、平和のためにたたかった人に交代させよう」などと熱くよびかけました。
このほか、西尾正道氏(国立北海道がんセンター名誉院長)、清末愛砂室蘭工大準教授、岩本一郎北星学園大学教授らも、原発再稼働反対、泊原発廃炉や戦争法廃止、安倍政権打倒などを熱く語りかけ、その都度会場から大きな歓声と拍手が沸きました(写真)。 集会後、繁華街を自民党道連前までデモ行進しました。


さようなら原発北海道集会
(2015年10月10日)














京極揚水発電所建設は公正で適正な公示価格であるべき
出力調整機能を再生可能エネの積極的普及に生かせ
― 9月定例道議会で菊地葉子道議が質問 ―
菊地葉子道議は、7月に行なった京極揚水発電所
           現地調査を踏まえ、要旨以下の質問を行ないました。

菊地葉子道議
菊地:羊蹄山麓の国有林内に総工費1600億円の巨費
    を投じて建設中の京極揚水発電所は、建設費全額
   が電気料金に転嫁され道民負担となるもので、
   当然公正さが求められる。入札予定価格、落札
   価、落札企業名を明らかにすべき。
道経済部長:建設工事は鹿島・大林・飛島・伊藤組共同
     企業体などがJVを組んで工事を請け負った。
   (予定価格や落札価格は答弁せず)
 菊地:この揚水発電所は、出力変動への対応が可能と言
    いながら、北電は再生エネの普及に消極的。北電
   は姿勢を改め、揚水電力の活用で再生可能エネ
   の積極的普及に役立てるべきだ。
高橋知事:発電機の瞬時に出力調整を行なえる機能を活
              用するなどして、北電が導入拡大に努めるべき。
               (北電に期待するだけの回答)



電力会社の判断で再稼働できると考えているのか
   岩内町議会で上岡町長の姿勢を問う―大田勤町議―
  大田勤岩内町議は9月の定例町議会で、原発再稼働の判断について、九電は川内原発を多数の反対世論を無視して再稼働を強行したが、原子力規制委員長は「規制基準に適合したが、安全だとは言っていない」と言い、国は「基準をクリアした原発は順次再稼働を進めていく」としている。町長は「事業者が規制委の審査で適合となれば、事業者の判断で再稼働できるとの判断か」とただしました。
上岡町長は「規制基準に適合すると認められた原発の再稼働を進めるという方針のも
と、所要の手続きを経て再稼働に至ると考えている」と事実上、事業者の判断による
 再稼働を認める態度を示しました。同時に町長は、泊原発の再稼働については「現在
 も規制委で適合性審査が継続中であり、予断を持って答える段階ではない」と自らの
 態度表明を避けました。
 スピーデイ(放射線影響予測)活用を国・道に求めよ
  大田議員は、規制委員会がスピーデイの運用を削除した問題について、スピーデイ活
  用で災害時の要援護者移送の公共輸送車両規模の把握などが可能になることを示し、
  国に活用を求めるべきと要求。町長は「道を通じて国に申し述べたい」と答弁しまし
  た。


どうする 核のごみの最終処分  
                                   9/29学習講演会
国の地層処分に国民合意なし。
    まず暫定保管し技術開発と国民合意を!


   原発連と国民大運動北海道実行委主催の「どうする 高レベル放射性廃棄物」学習講演会が9月29日夜、札幌市内で開かれ、原発連会員や日本科学者会議会員、一般市民など18人が参加し、石崎健二日本科学者会議会員、米谷道保原発連代表委員が報告、質疑応答しました。

 石崎健二氏は、日本学術会議が今年4月24日に発表した「高レベル放射性廃棄物の処分に関する政策提言~国民的合意形成に向けた暫定保管」について、第一に、国民の意見を反映した政策をつくるための組織体制として(1)高レベル放射性廃棄物問題総合政策委員会(仮称)を独立性の高い行政委員会(公正取引委員会のような独自の権限を持った委員会)を確立。そのもとに、①科学技術的問題検討専門委員会(仮称)と②核のごみ問題国民会議(仮称)をもうけ、国民合意形成を進める。第二に、使用済み燃料もガラス固化体も、当面は「暫定保管」する。①暫定保管の方法は、地上で冷やす空冷(乾式)。②保管期間は原則50年とし、最初の30年で最終処のための合意を形成して最終処分地の候補地を選定し、その後20年以内に処分場を建設する。③保管期間の目的は、地層処分の安全性確保の研究ならびに国民の理解と合意形成をはかる期間の確保。④暫定保管施設の立地選定場所とその建設は、各電力会社が自己責任で自らの配電圏域内(北電は、北海道内)で行う。安全性については、稼働中の原発と同程度のリスクと考えられるので、原子力委員会が規制基準を策定し審査にあたる、⑤再稼働問題に対する判断は、新たに発生する高レベル放射性廃棄物の保管容量の確保と暫定保管についての計画を条件とすべき。⑥暫定保管が始まるまでの安全確保は、従来よりも少しでも安全な保管方法を見出し、不断に安全性の向上を図りながら慎重に継続する他に方法はない―の6項目を紹介しました。
       ついで石崎氏は、この提言について、日本学術会議は、最終処分は地層処分がよいと考えているようだが、世界有数の地震国、火山国、そして4つのプレート境界にある日本で地層処分がよいとは思えないとの見解を表明しました。 フロアーからの質疑では、「地層処分はダメだという研究者の意見もある」「暫定期間50年のうちの最初の30年で最終処分のための合意を形成し、その後20年以内に処分場を建設するというのは、科学技術の進歩で放射性廃棄物の危険性を除去できる可能性もあり得るという技術の進歩に対する信頼を考えているものとして賛成できるのではないか」「原子力規制委員会が、暫定保管中の安全性について、基準を作り審査するというが、そのようなことは可能なのか」などの疑問や意見が出され、いずれにも石崎氏が回答しました。
9・29学習講演会




幌延と北海道を核のごみ捨て場にさせないために
核抜き道条例や3者協定順守を迫る厳しい監視と抗議活動を続けよう

米谷氏は、報告の冒頭、原発・核燃サイクルから撤退の合意形成をめざすのが道原発連の立場だとしたうえで、国が5月22日に閣議決定した『地層処分ありき」の改定基本方針のもとで強引に地層処分に突き進もうとしているのは、「地層処分は容易に進める状況にはない」とする日本学術会議の提言や「わが国には地層処分できる場所はない」と指摘している学者や研究者、専門家などの見解を無視するもので国民的合意がないと指摘し、いったん閣議決定を撤回し、日本学術会議の提言を軸に国民合意の形成に努めるべきだと述べました。
そのうえで米谷氏は、この間幌延と北海道を核のごみ捨て場にさせないために、核廃棄物施設誘致に反対する道北連絡協議会や天北の地元の住民運動団体、道原発連などが、原子力機構や幌延深地層研究センターなどによる3者協定や核抜き道条例に反する様々な言動を、監視と抗議行動などをつうじて是正させてきたと指摘し、次のような例を資料も示してあげました。「放射性物質を使った試験を行う」との原子力機構地層処分研究開発部門長のHP挨拶文(二〇〇九年二月)や幌延センターでの地下水流出・ガス漏れ事故情報隠し(二〇一三年二月)、地下施設埋戻しは「もったいない」発言(二〇一四年四月)など。
最後に米谷氏は、北海道を核のごみ捨て場にさせないために、引き続き厳しい監視や抗議の活動をおこない、原発・核燃サイクルから撤退の住民合意の形成に尽力したいと表明しました。

「研究期間20年の誠実な履行を求めよ」
            「最終処分場は受け入れないと表明を」
  10月8日  核廃施設誘致反対道北連絡協が道に申入れ

核廃棄物施設誘致に反対する道北連絡協議会(代表委員鷲見悟氏ほか)は、10月8日、道知事に「幌延深地層研究計画」について申入れ、道北連絡協から数名、札幌近郊の支援団体などからの約20名で道交渉を行いました。

 申入れは、3者協定にある「研究期間20年程度の誠実な履行」「高レベル放射性廃棄物の最終処分場候補地選定を道内の自治体には申し入れないよう国へ申し入れること」「北海道に核のゴミを受け入れないことを表明すること」の3項目でした。
交渉で道北連絡協議会は「幌延深地層研究計画の『3者協定』で研究期間は20年程度で終了するとなっているが、原子力機構は『埋め戻しはもったいない、研究のために延長もある』と発言している。また、今年8月6日の幌延での説明会で、センターの清水所長の発言は『(20年で)終了』とは言っていない。幌延町は現在の380mから500mへの掘削を要請している」。また、「終了時期についても当初の『第3期期間中に考える』から、計画最終年の『平成31年の最終年に考える』と変わっている」「工程表でも研究期間が20年一杯となっている事を考えると、地上の施設閉鎖、地下施設の埋め戻しを含めた20年程度で終了との協定は守れるのか。これらの動きに道としてどう対応しているのか。現段階で何もしないで、直前の期間延長申し入れで、なし崩しの期間延長が懸念されるのではないか」などと、道の見解をただしました。
しかし、道は「『3者協定』は遵守する、期間は20年程度」「機構からは何も話はない」と繰り返すばかりで、もともと道が主導して結んだ3者協定に対する監視責任を問われても「20年程度」を繰り返すだけの不誠実な態度に終始し、会場から何度も怒りの声が上がりました。
また、道北連絡協議会が、「高レベル放射性廃棄物の最終処分場に関して『条例で廃棄物は受け入れない』立場がはっきりしている、道内の各自治体にその立場から文献調査段階から受け入れない事を指導すべきではないか」とただしたのに対しては、「市町村には受け入れないようにとは言えない」と述べ、市町村への指導や要請をする態度を示さず、「道条例遵守の立場で市町村と連携する」と述べるにとどまりました。


「大間原発の何が問題か」学習講演会
 ~ 訴訟の現状と支援の課題、展望を語る ~   
  ◇日時  10月31日(土)14時~ 
  ◇会場  北海道クリスチャンセンター5階チャペル
  ◇講師  森越清彦弁護士大間原発差止訴訟弁護団共同代表) 
                   ― 資料代:300円 ―