原発問題連絡会ニュース 第233号
原研機構・幌延深地層研究センターが
重大な事故隠し
―2月6日大量出水とメタンガス濃度上昇で
掘削工事中断し作業員避難―
2月6日夜、幌延深地層研究センターの坑道で地下水の大量出水とメタンガス濃度の上昇(基準値の1・5%を超)が起き、基準値超え状態が5分以上続くと爆発の危険性があることから、原研機構・幌延深地層研究センターが急きょ掘削工事を中断して坑内作業員24人を地上に避難させた(「道新」2月15日)重大事故を公表せず、事故隠しを行っていた疑いが濃厚となりました。
ただちに事業を中止しセンターを廃止せよ ~ 鷲見悟幌延町議
この問題について鷲見悟幌延町議は、「幌延は当初から地質の専門家や地震学者などから、地下水やガスが出やすい崩れやすい地質であり、サロベツ断層帯に位置し大地震も避けられないとして、研究地として不適地だと指摘され続けてきた。今回の事故は、そのことを事実で示すものであり、けが人が出なかったなどと言って済ませるわけにはいかない。文科省と原研機構は、幌延深地層研究センター事業をただちに中止し、センターも廃止すべきだ」と怒りの声をあげています。
なお、鷲見悟町議が代表委員の一人をつとめる核廃棄物施設誘致に反対する道北連絡協議会は、この問題と幌延深地層研究センター所長が住民の説明要請を拒否している問題などで、2月22日に道庁を訪れ、知事に要請を行うとしています。
道の事故隠し容認は、道民の安全に背を向けるもので許されない
~ 道原発連が抗議の談話
「道新」報道(2月15日)によると、この問題で原研機構は、事故の翌日7日に、事故発生による掘削の中断を道や幌延町に連絡したとしています。しかし、その内容は「地下水の流出やガスの検出自体は通常あること。今回はけが人も出ておらず、発表の必要はないと判断した」と事故隠しを正当化する開き直りです。しかし、メタンガス濃度が1・5%の基準値を超え、作業員を緊急避難させなければならないほどの重大事故を道民に隠す体質自体が大問題であり、このような情報隠し体質が、さらに重大な事故につながることが危惧されます。同時に重大なことは、報告を受けた道が、「今回の事象は事故や重大なトラブルではないと認識した。公表するかどうかは原研機構の判断だ」(環境・エネルギー室)と容認したことは、道民の安全に責任を負う道として到底許されないことです。
豊富町民の会は文科省と経産省に抗議文
この問題で「高レベル放射性廃棄物施設誘致反対豊富町民の会」(渡辺敏司会長)は2月19日、文科省の下村博文大臣と経産省の茂木敏充大臣あてに、「幌延深地層研究センターの情報隠しに対する抗議文」を送付しています。
映画「渡されたバトン~さようなら原発」
― 有料試写会に約120人
18日夜の試写会には、あいにくの悪天候のなか、加盟団体役員や各界の代表など100人余が参加。招待にこたえ上田文雄札幌市長も姿を見せました。参加者一同2時間に及ぶ映画を最後まで熱心に視聴。迫力満点、親から子へ「さようなら原発」のバトンをつなぐ場面に感動の輪の広がりも・・。「いい映画だったね」「4月の上映会を成功させたいね」という声声声。受付に寄って前売券の普及協力を申し出る方もあるなど、4月20日の本上映会成功へバネとなる試写会でした。お二人から感想が寄せられました。
運動を続け、声をあげ続けていけば原発ゼロは実現できる
1969年といえば、私が産まれる前の年ですが、それから2003年まで長い年月をかけて原発建設に反対し、計画断念に追い込んだたたかいがあったことをこの映画で初めて知りました。原発の危険性を知らせ、自分たちの民意を反映してくれる町長を誕生させ、住民投票を実施するまでの道のりは大変な苦労があったと想像しますし、運動を続けていくことがどんなに大事かも知りました。
過疎化の進む町を莫大な協力金や補償金で買収しようとする電力会社により、家族間や住民同士が原発の是非をめぐって、分断させられていく。でも、真実を知ることで変わっていくし、団結していく力になっていくという確信も持ちました。
原発推進の父親に「親から子へ、子から孫へ、バトンが受け継がれていく中で大気汚染や原発などそのバトンから悪いものを振り払って、受け継いでいくべきではないか」と言った次女の言葉は、その通りだし、子どもや孫に安心・安全な未来を引きいでいくのが私たち大人の責任ではないかと感じています。
私自身、3・11東日本大震災・福島原発事故が起こるまで原発の危険性を知らずに過ごしてきました。放射能汚染や核廃棄物の処理問題など、知れば知るほど「原発はいらない」という思いを強くしました。この映画を観て、運動していけば実現できる展望を持つことができました。原発ゼロの決断をさせるまでこれからも政府や北海道知事・電力会社に声を上げ続けていかなければという思いを強くしました。(新婦人道本部 鈴木由妃江)
粘り強く明るく闘う姿が、親の態度を変え、住民投票で建設断念に
―多くの人に観てもらいたい
過疎化が進み商店街もシャッター通りになってしまった新潟県巻町(現・新潟市西浦区)で、原発建設をめぐって町を二分して四半世紀にわたって闘われた実話をもとに映画化されたもの。画面に登場する割烹旅館を営む五十嵐家も、家族・親類のなかでも賛成、反対に別れて大論争に。この間、79年にスリーマイル島原発事故、86年にチェルノブイリ原発事故が起き、人が住めない町になってしまったことを知り、賛成だった五十嵐家の主人が、入院している病室に家族を呼んで、“子から孫へ町を原発から守っていくバトンを渡して行ってほしい、孫の笑顔が一番”との思いを語り「みんな手をつなげ」と、原発反対の気持ちを言葉にして亡くなっていく姿に、感動の涙が止まらなかった。
反対派町民の粘り強く、地道に、明るく運動して行く姿が、住民投票により原発建設をやめさせることを実現する。とても勇気づけられる映画で、多くの人に是非観てもらいたい。(南区青野道子)
試写会を力に本上映会成功へ入場券の普及をすすめましょう!
―フクシマからの避難者20名を入場料無料で招待―
原発連と国民大運動実行委員会は、フクシマからの避難者支援として、本上映会の観覧を希望される避難者を入場料無料で招待(先着20名)することにし、北海道NPO被災者支援ネットへよびかけビラを届け情報提供をお願いしました。3月上旬の情報誌と一緒に案内ビラが配送されます。
<本上映会> 日時 4月20日(土)10時、13時、15時45分、18時30分(開場はこの30分前)
会場 札幌共済ホール(札幌市北4条西1丁目 共済ビル6階)
フクシマから2周年の3月9~11日
全道各地で呼応する共同の集会や行動を成功させよう!
◇3・9「つながろうフクシマ!さようなら原発北海道集会inいわない」
*日時 3月9日(土)13時開会(開場12時)
*会場 岩内地方文化センターホール
*ゲスト 豊田直己氏(フォトジャーナリスト)
小笠原厚子さん(大間原発建設地内「あさこはうす」管理)
*規模 1000人(安保破棄関係団体で500人)
*デモ 午後2時30分から、岩内町内繁華街をデモ行進
*主催 さようなら原発北海道実行委員会
<札幌からの参加方法> JR札幌駅北口午前8時30分集合、大型バスに分乗して午前9時出発)
・参加費 1人1500円(当日納入)。
・参加申し込み 別紙申込用紙にて、2月28日までに国民大運動実行委事務局へFAXで。
【FAX:011(815)4545 道労連内】へ。
◇3・10「0310☆原発ゼロ」札幌アクション
☆日時 3月10日(日)12時~13時
☆場所 パルコ前と紀伊国屋書店前の2カ所
☆規模 それぞれ50人以上。リレートークとチラシ配布、道民署名など
☆主催 原発問題全道連絡会、国民大運動北海道実行委員会(連絡先:道労連)
◇3・11東日本大震災・東電福島第一原発事故から2年、さようなら原発北海道講演会in
さっぽろ
☆日時 3月11日(月)午後6時から(開場午後5時30分)
☆会場 かでる2.7 ホール
☆講演 豊田直己さん(フォトジャーナリスト)
☆参加費 500円
☆主催 「さようなら原発1000万人アクション北海道」実行委員会
2月28日まで意見公募(パブコメ)中の
規制委員会の新安全基準骨子案にドンドン意見を送ろう
原子力規制委員会が、原発の新安全基準案づくりの一環で、骨子案についての意見を公募中です。再稼働前提の安全基準づくりを許さないために、ドンドン意見を送りましょう。提出方法は、原子力規制委員会のHPを見て下さい。
原発連のHP(ブログ)を開設しました
北海道原発問題全道連絡会または原発問題全道連絡会、あるいはhttp://genpatsuren.blogspot.jp/で開けます。
1月下旬に開設しました。 まだ情報は少ないのですが、開いてみて、ご意見や要望、新情報などをお寄せ下さい。
「原発連とは」では、会則による会の目的などを紹介、「原発連について」では、原発連の発足の経過と目的、この間取り組んできた直接請求運動などの主な運動、フクシマ後のいまは、原発からの撤退、核燃サイクルからの撤退の合意形成に取り組んでいることなどが簡潔に書かれています。ついで、発足から30年余にわたる原発連の足どり(年表)も盛り込まれています。
ほかに、最近の原発連ニュース、道や北電への申入れ、声明や談話、団体の加盟申込用紙と個人会員の加入申込用紙なども掲載されています。