2019年1月4日金曜日

原発問題連絡会ニュース 第303号2018年12月20日




全道停電・ブラックアウトは北電の経営に責任

「検証!北海道のブラックアウト」

   ~再発防止策を考える講演会に30人
 ―宮尾正大氏―苫東厚真火発1局集中に固執し、分散型発電所配置を怠った北電が招いたと指摘―  
 
 北海道のブラックアウトを検証し、再発防止策を考える講演会が、12月12日夜、原発問題全道連絡会と国民大運動北海道実行委員会の主催で札幌市内で開催され、約30人が参加しました。講師の宮尾正大氏(原発やめよう!登別の会代表、室蘭工業大名誉教授)は、自らのパソコンとプロジェクターをリュックに背負って持参、豊富な資料をパワーポイントで写しながら、1時間半余にわたって熱く語りました。 
講演は、電気の歴史から始まり、電気の特性は発電量と需要量がいつも一致しなければ停止するため、同時同量の原則が貫かれ、北電など電力会社は、中央制御盤を見ながら、その調整を行うが、実際には、制御盤を見ているが、すべてコンピューターが自動的に行うようセットされていると説明しました。
今回の北海道のブラックアウトの検証について宮尾先生は、電力広域的運営推進機関の第3者委員会による検証で、「北電の対応が不適切だったとはいえい」という中間報告を発表、今日12月12日に最終報告が出されたと思うが、それも中間報告と同じ内容のはずだとのべ、ブラックアウトに至る経過を詳しく説明し、本当に北電の対応に不適切はなかったのか、と問いかけ、以下のように述べました。

北電など電力10社は、安定供給責任を負っており、ブラックアウトは絶対起こしてはならない。震度7クラスの地震が起これば、苫東厚真火発が停止することはわかっていたことだし、泊原発で同様の地震が起これば、やはり原発は自動停止する。そうなってもブラックアウトは起こしてはならない。

大規模発電システムは、地震等で自動的に全機停止することがあってもブラックアウトを起こさないように発電所を配置するなどの対策を取っておかなければならない。送配電網の負荷が8%変動すると周波数が1ヘルツ変動する。周波数変動の限界の5ヘルツ以内に周波数の変化を収めるには、最低需要量(北海道は約213万kW)の40%、85万kW、これが事故で一度に失われる電力の上限で、地震などの災害を考えると60万kWを上限とする発電所の分散配置が必要となる。東電は福島事故後LNG火発等を分散配置している。
 ところが、北電は、泊原発の維持や再稼働対策に優先的に金を使い、分散型発電所をあちこちに配置することをやっていない。ブラックアウトは絶対起こしてはならないにもかかわらず、経営効率の良い苫東厚真火発を一極集中的に稼働させ、他の老朽火発や水力などをほとんど停めていた。このために胆振東部地震で苫東厚真火発が停止し、ブラックアウトをおこしたもので、北電の経営責任によるものだと考える。電気事業法で、自然災害や電力事業者に瑕疵のない停電では、電力会社の責任は問われないことになっているが、今回のブラックアウトは北電に瑕疵がなかったと言えるのかーここが問われているーなどと指摘しました。 
ブラックアウトは経営方針の誤り
 北電は責任を取り道民に謝罪・賠償せよ
       ―11月26日、北電本社に道原発連が申入れー
 原発問題全道連絡会は11月26日北電本社を訪れ、9月6日の胆振東部地震とブラックアウトを踏まえ、①泊原発は再稼働せず廃炉を決断すべき、②今回のブラックアウトは泊原発の再稼働対策を優先して電力の安定供給対策を後回しにして、大規模集中型の苫東厚真火発をフル稼働させてきた北電の経営方針の誤りが招いたもの。北電は道民に謝罪し、損害賠償を行うべきだーなどと申し入れました。  応対した北電エネルギー広報担当課長らは、胆振東部地震の加速度1796ガルは岩盤上の揺れでなく観測機の置かれた場所のもの、泊原発の基準地震動は、規制委の審査を受け精査中であり、再稼働できるよう対策を進めているところ。ブラックアウトについては電力広域的運営推進機関の第3者検証委員会の検証で、苫東厚真火発の停止に加え、送電線の故障による水力発電所の停止などの複合要因が重なったもので、北電の対応に不適切があったとまでは言えないとされている、発電所の配置についても不適切とは言えないとの判断が示されており、損害賠償を行う考えはないと答えました。

北電に申し入れる原発連(奥側)

参加した北商連の石塚隆幸会長や井上元美事務局長らは、会員からの被害調査の結果で被害総額約3億円のうち6割は停電によるものと資料を示して告発、電気料金値下げを実施するなど何らかの補償を考えてしかるべきだ、公的事業で社会的にも重要な責任ある事業を行っている点からも応分の結果責任を取ってしかるべきではないか、などと迫りました。担当課長らは、「自分では言う立場にない、上司に報告する」と答えました。

原発連の米谷道保代表委員は、「道庁の地震予想調査で、胆振東部を震源とする震度7クラスの地震が起きうると公表されており、電力会社として当然この予想を踏まえ苫東厚真火発3基停止を想定した安定供給対策を講じておくべきだったにもかかわらず怠った責任は明白で、応分の損害賠償は当然だ」と批判しました。
この申し入れには共産党の畠山和也前衆院議員も参加、全域停電の検証にとどまらず、さかのぼっての検証を行うよう求めました。
 地震列島日本に原発はいらない
    ー泊原発は再稼働せず廃炉に
ブラックアウトの原因は、
      道民が納得いく検証をすべき
          道原発連、11月22日北海道経産局に要請
 
北海道自身と全域停電(ブラックアウト)を踏まえ、泊原発は再稼働せず廃炉にと、原発問題全道連絡会は11月22日、札幌市にある経産省の北海道経済産業局に申し入れました。米谷道保、春木智江両代表委員らが訪れ、日本共産党の菊地葉子、佐野弘美良道議が同行しました。

米谷氏らは、今回のブラックアウトは分散型発電システムを後回しにした北海道電力の責任が重大であり、道民に謝罪と損害賠償を求めるとともに、万全の安定供給体制を構築するよう求めよなどと要請しました。
道経産局に申し入れ文渡す米谷氏



道産局側は、石狩のLNG発電所の稼働前倒しや北本連系線の増強を進めると回答。米谷氏は「北電は苫東厚真火発が停まればブラックアウトにつながると想定していたはず。技術的な検証だけでは道民は納得しない」と厳しく断じました。北商連の中沢総常務理事(札幌東部民商事務局長)は「中小業者は停電で休業の影響が大きく、売り上げ減が続いている。直接的な支援が必要だ」と求めました。
菊地葉子道議は「なぜブラックアウトが起きたかを道も経産省もあいまいにし、危機管理意識が低い。道民の納得いく検証をすべきだ」。佐野弘美道議は「全域停電の原因の苫東厚真への一極集中は是正すべきだとしていたのに、検証はどうなったか」とそれぞれ追及しました。(「しんぶん赤旗」11月24日から)

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原発輸出相次ぎ暗礁に 

トルコに続きイギリスからも撤退の動き
 

12月4日、日経新聞は、三菱重工が政府と一体で進めてきたトルコへの原発輸出断念と報道したのに続いて、12月17日付各紙は、日立製作所が政府と一体で進めてきたイギリスへの原発2基輸出も暗礁に乗り上げ、計画延期の動きと報道されました。 安倍政権が「成長戦略」の柱に位置付けて強行してきた原発の海外輸出の破たんを示すもの。原発をベースロード電源と位置付けた第5次エネ基本計画も時代錯誤であり、その誤りも明白です。安倍首相の責任が厳しく問われます。

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泊周辺自治体にも事前了解権認める新協定を

道原発連が北電と道経産局、道知事に申入れ
 道原発連は11月20、21、26日に行った道と道経産局、北電への申入れのなかで、泊原発の再稼働にあたっての周辺自治体の事前了解権を認め、周辺自治体と道と北電の3者が新協定を結ぶよう申入れました。
 これは、いま全国的焦点の一つとなっている東海第2原発の再稼働・延長運転に際して、周辺5市1村と茨城県、日本原電の間で、事前了解を認める新協定を結んだことに学び、泊原発について、多くの周辺自治体が要望している少なくとも後志管内全20市町村と道と北電の間で事前了解権を認める新協定を結ぶよう申し入れたものです。
 日本原電の東海第2原発をめぐっては、30キロ圏内に96万人も住んでおり、安全を保障できる避難計画の策定も困難と言われており、事前了解権を認めることは当然です。
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【地域の会の活動紹介】今号には、原発問題後志住民の会が11月に開催した「廃炉の時代を迎えて~廃炉後の地域づくりを考える」講演会の模様を「いわない新聞」で紹介します。
  


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泊3号機の非常用発電機の端子接続不良~9年間も放置

―11月の点検時、作動せず発覚。情報開示も13日もあとで情報隠しの疑いもー

 この非常用発電機は、胆振東部地震のブラックアウトの際には、何とか通電できて稼動しましたが、11月9日の点検では作動せず、接続不良が発覚。規制委から「トラブルが多すぎる」と指摘、現地調査も予定するとされています。北電には、原発事業者としての適格性が問われます。
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《原発連ニュースにみる道原発連のあゆみ》  第26回  今号は、第120号(2000年7月25日)から第125号(2001年6月4日)を紹介します。

   泊原発3号機計画反対、「深地層研」計画返上の正念場のたたかい

第120号(2000年7月25日)は、泊原発3号機計画をめぐって、第2回定例道議会予算特別委が長時間空転、深夜自民らが再開を強行し7月14日未明、堀知事が「反対・慎重」を求める道民多数の声を押し切って「容認」発言を行ったこと、これに道原発連は14日緊急声明を発し、直ちに道知事に撤回を申入れたこと。また、「深地層研」については反対や疑念が広がるなか、道は道民合意を口実に「道民の意見を聞く会」を8月3日から9か町村で開催する計画を発表、ところが実施開場は幌延とその周辺8町村と札幌市に限定され、意見陳述者数も全体で140人に限定され、質疑の時間も保障しないなど、名ばかりの「意見を聞く会」でした。原発連は知事にその根本的見直しを申入れています。また、7月9日青森市で開催された「核燃料サイクルと原発を考える」全国集会に北海道から5氏が参加し、研究者の講演や交流な度、おおく学びあったことが書かれており、当時の核燃サイクルをめぐる情勢の高まりを感じさせるものです。

 第121号(2000年9月15日)は、この年の第3回定例道議会の最大の焦点が「深地層研」計画をめぐる攻防となり、堀知事の「道民合意」の公約破りを許さない闘いを呼びかけ、「深地層研究所計画の返上を求める請願書」を道議会に9月28日までに集中しようと呼びかけています。また、裏面(2頁)には、堀知事の泊原発3号機増設計画『同意』に抗議し撤回を求める声明(9月6日)を掲載しています。
「深地層研究計画」の地元合意の内実と政府科技庁の
                               「地元理解は知事同意」とのごまかしを告発
第122号(2000年12月15日)は、幌延深地層研究計画容認後、原住連第14回総会が11月26日開催され、ここに花岡ユリ子道議が参加し、そのわかりやすい感想文を掲載するとともに、翌27日の科技庁、通産省への要請行動で、幌延「深地層研究計画」に関する道と幌延町、核燃サイクル機構の3者協定(11月16日締結)について、周辺7町村が協定への不参加を表明し、「道民の意見を聞く会」でも反対が賛成を上回ったことなどを示し、「地元理解が得られていると思うか」とただしたが、科技庁は「地元理解はいろいろな角度、受け取り方があるが知事同意を地元理解とみるのが一般的」と答え、肝心なことは回答を避けたと告発しています。
テキスト ボックス:   第28回総会開催のご案内
   12月に開催した第27回総会期第11回常任理事会で、第28回総会を次の日程で開催することを申し合わせました。万障繰り合わせてご参集ください。なお、総会招集文書は1月に入って送付します。
 ◇日時  2019年2月16日(土)13時~16時(予定)
 ◇会場  札幌市生涯学習センター(ちえりあ)2階中研修室1
 ◇参加対象者  理事、個人会員、加盟団体代表
 ◇議題  2018年度経過報告、2019年度運動方針、2018年度経常会計決算報告、同監査報告、2019年度経常会計予算案、2019年度役員選出、その他(会則改正など)
第123号(2001年1月24日)は、代表委員の斎藤敏夫さんの「21世紀、運動の本格的前進をめざして」と題して21世紀最初の年の年頭のあいさつと運動前進への決意―泊3号機と幌延「深地層研」は「道民合意」の公約を破った堀道政に立ち向かい前進へ―です。 
第124号には、「泊原発3号機計画の経緯と民主主義の問題」と題する科学者会議北海道支部シンポでの菅野一洋氏の報告の要点。 第125号(2001年6月4日)は、「プルサーマル導入反対」刈羽村住民投票の勝利についての道内各界関係者の歓びの声を紹介しています。米谷道保記)
 
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 第28回総会開催のご案内

   12月に開催した第27回総会期第11回常任理事会で、第28回総会を次の日程で開催することを申し合わせました。万障繰り合わせてご参集ください。なお、総会招集文書は1月に入って送付します。

 ◇日時  2019年2月16日(土)13時~16時(予定)

 ◇会場  札幌市生涯学習センター(ちえりあ)2階中研修室1

 ◇参加対象者  理事、個人会員、加盟団体代表

 ◇議題  2018年度経過報告、2019年度運動方針、2018年度経常会計決算報告、同監査報告、2019年度経常会計予算案、2019年度役員選出、その他(会則改正など)
 
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     2018年11月 原発・核燃サイクル関連日誌

  11/1 太陽光発電事業甘い制度標的に200社申告漏れ (11.1 朝日)

        11/1 北電 ブラックアウト影響で 純利益110億減 11.1 朝日)   
      11/1 北電 全域停電 特損42億円と発表 11.1 朝日)
  11/1 柏崎刈羽原発で非常用電源ケーブル火災 (11.2 赤旗)

11/2 東電裁判 旧経営人3被告人質問終了 (11.2 朝日)
               11/2 北電全域停電防止策で強制停電上限引き上げ見直しへ11.2朝日)
11/6 福島第一残業月110時間で過労死認定 (11.6 朝日)
11/6 米、風力・太陽光コスト低下で自然エネ革命進行中 (11.6 朝日)
                      11/7 ブラックアウト後再生エネ活用されず2日間 (11.7 朝日)
11/7 東海第二原発 20年運転延長 規制委が認可60年に(11.7 朝日)
11/7 東海第二原発 避難計画 バス協会バス出せずの見解 (11.7 赤旗)
11/7 高浜3号機 運転再開 関電 (11.8 赤旗)
11/7 東海第二原発20年延長 再稼働同意見通せず (11.8 朝日)
11/7 東海第二原発 延長認可 高いハードル 那珂市長反対(11.8 朝日)
                      11/8 経産省3年ぶり道内対象に節電要請 (11.8 朝日)
11/10.11 原発問題住民運動全国連絡センター・全国交流会in柏崎 北海道から2名参加
11/11 東海第二原発再稼働 周辺6首長一自治体反対でも不可確認 (11.11 赤旗)
11/12 福島3号機 燃料取り出し装置停止 不具合12件目 (11.14 赤旗)
                      11/12 イレブンアクション 6団体10人 35
                      11/14 経産省 北本連系線増強検討 11.15 朝日)
11/13 福島第一 IAEA 処理水方法決定は喫緊課題と報告 (11.15 赤旗)
11/14 規制委 研究炉身元確認で意見募集 (11.15 赤旗)
11/15 伊方原発運転容認 住民の訴え棄却 高松高裁 (11.15 赤旗)
11/16 九電 再生エネ出力抑制「今後も」 (11.17 朝日)
                   11/17 泊原発を再稼働させない北海道連絡会 
                                                    第10回全体会議、学習交流集会
                    11/17 「廃炉をめざす会」「再稼働させない連絡会」井戸謙一講演会 
                   11/19 北電、道庁とホットライン 道検証委方針 11.20 朝日)
                  11/20 チカホで終日署名行動 7団体 15人 275筆 
11/21 規制委 ヨウ素剤の配布指針見直し検討 (11.23 赤旗)
                    11/21 原発連 ブラックアウトで道へ申し入れ
                   11/22 原発連 ブラックアウトで道経産局へ申し入れ
11/22 大飯原発廃炉計画認可申請 関電 1,2号機 (11.23 朝日)
11/24 東海第二原発 地元了解で「拒否権ない」発言 原電謝罪 (11.25 赤旗)
11/26 福島第一 汚染水漏えい (11.26 赤旗)
                     11/26 原発連 ブラックアウトで北電に申し入れ 
                      11/27 北電 音別火力発電所廃止延期発表 (11.28 朝日)
                      11/26 チエルノブイリデー 5団体 8人 24
11/27 浪江町民 ADR打ち切り受け 国・東電を提訴 (11.28 朝日)
11/28 規制委 避難解除に向けて個人線量計で被曝管理 (11.29 赤旗)
11/28 伊方原発3号機営業運転開始 四国電力 (11.29 赤旗)
11/28 政府帰還困難区域解除 2020年に (11.29 赤旗)
11/29 電気ガス料金 1月も値上げ発表(北電 32円) (11.30 朝日)
 




  



   


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全道停電・ブラックアウトは北電の経営に責任










 

   

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