2014年12月20日土曜日

原発問題連絡会ニュース 256号2014年12月20日

電気料金再値上げ認可取り消し抜本的見直しを
泊原発再稼働やめて廃止・廃炉の決断を
  原発連が、経済産業大臣と道経産局長へ申入れ



STOP!原発再稼働の暴走
―「原発・核燃からの撤退」の合意形成を―  
原発問題住民運動全国連絡センター第28回総会に
参加して  米谷道保(道原発連代表委員)

 原発問題住民運動全国連絡センター(全国センター)の第28回総会・交流集会が11月24日(月)東京で開催され、道原発連から米

谷道保氏(代表委員)が参加しました。この総会・交流集会の概要を報告します。
フクシマは終わっていない ― 再稼働の暴走は許されない

 最初に全国センター筆頭代表委員の伊東達也さんが、代表委員会報告を行いました。その詳細は、情報誌「げんぱつ」(11月25日発行)掲載の通りです。報告の中から、福島原発事故の現状などについて触れた概要を紹介します。
事故から3年8カ月が経過するが、今なお事故収束対策も被災者対策も被災地の復旧・復興対策も進んでいない。それは加害者である国と東電が事故を起こした発生者責任、加害者責任を根本的に反省していないことにあると厳しく指摘。今も12万人近い県民が避難生活を強いられ、災害関連死は1809人(11月22日現在)となり増え続けている。復興庁の9市町村住民の意向調査(6月実施)では、現時点で自宅に戻らないと考えている人が、大熊町や双葉町では65%以上、29歳以下では飯舘村、浪江町、富岡町、南相馬市も50%を超えている―ことを示し、国と東電が加害者責任について根本的な反省を行い、事故収束対策、被災者対策、被災地の復旧・復興対策に真摯に取り組むべきだーと訴えました。
 さらに伊東筆頭代表委員は、国が「エネルギー基本計画」の閣議決定を撤回し、原発依存をやめ、自然エネルギーの開発拡充に根本的に転換すべきだ、とくに福島県は全エネルギーを再生エネでまかなう復興プランを立てており、その成否にもかかわる問題だと力説しました。
最後に伊東筆頭代表委員は、「原発・核燃からの撤退」の合意形成をめざすこれまでの運動の前進を確信にして、全国センターの主体的力量強化にも力を尽くそうと呼びかけました。

川内原発地元説明会―プルサーマルの“やらせ”説明会と同じやり方
再稼動ありきで形ばかりのやり方にさらに怒り広がる 

 報告を受けて、12人が発言・交流しました。九州電力の川内原発のある薩摩川内市の井上勝博市議が、「川内原発再稼働阻止のたたかい」を報告。地元説明会が、玄海原発のプルサーマル計画の説明会で発覚した“やらせ”説明会と同じ発想のやり方だと詳しく報告・告発。最後に今後の闘いについて、「まだ時間はある、九電への反対署名、総選挙鹿児島小選挙区3区は自民、共産、無所属の3人が出馬する、どの党が伸びれば再稼働を止められるか、有権者の前に明らかにできるわかりやすい選挙となる」と、引き続き再稼動阻止に全力あげる決意を表明しました。
全道100万人署名は達成できる条件がある 
~ 道民の過半数が再稼働に反対 

 交流会では、道原発連の米谷道保代表委員も全道100万人署名の経験を発言。2011年から1年間で道民署名13万筆を集めた経験に立って、もっとインパクトを与えられる規模の署名運動をやろうと、さようなら原発北海道実行委員会が、作家の倉本聰さんなど著名人5氏の呼びかけで昨年5月末から、「原発のない北海道の実現を求める全道100万人署名」に取り組んできた経験と到達点を報告、署名数は現在約70万筆だが、今も道民の過半数が再稼働に反対であり、条件を汲み尽くせば100万人署名は達成できると、年内達成めざし奮闘中だと報告しました。

道原発連・代表委員の
はたやま和也さんが比例選挙で初当選 
― 衆議院議員に
再稼動ノー!原発・核燃サイクルから
即時撤退かかげ 
― 小選挙区1区・のろた博之さん(原発連・会員)も大健闘!
12月2日公示、同14日投・開票で行われた第47回総選挙で、道原発連代表委員のはたやま和也さんが、比例代表選挙北海道ブロックで30万2251票<得票率12.09%)を獲得して初当選、11年ぶりに共産党の議席を回復しました。また、道原発連個人会員で小選挙区1区の共産党ののろた博之さんは、32,031票<得票率11・96%)を獲得、大健闘しました。
 原発連は、今回の総選挙にあたって、「安倍政権の原発・核燃サイクル推進の暴走政治に厳しい審判を下し、原発のない日本と北海道の実現へ政治の大転換を勝ち取ろう」―第47回総選挙にあたってうったえますーを発表(11月21日)し、「原発推進の政党と政治家・候補者に厳しい審判を下し、原発・核燃サイクルから撤退の旗を掲げる政党と政治家・候補者を勝利させるために、ともに力を尽くしましょう」と呼びかけ、それぞれの持ち場で奮闘して今回の勝利と大健闘に尽力、その結果をともに喜んでいるところです。なお、原発連は、共産党北海道委員会のほかに、道段階の多くの労組や民主団体及び個人が加盟(加入)する住民運動団体であり、特定の政党とその公認候補を推薦する措置はとっていませんが、今回の総選挙にあたっての「訴え」が実ったものとして歓迎するものです。畠山和也さんと野呂田博之さんのご健勝と一層の活躍を祈念します。

泊原発は再稼働に同意せず、廃炉入りを求める意見書を採択して下さい
~ 道原発連 ― 後志管内20市町村議会へ陳情 ~ 
 道原発連は12月11日、標題の陳情を後志管内20市町村に送付しました。この陳情は、すでに小樽市議会12月定例議会で検討されています。他の町村議会の多くは、新年度予算議会(来年2~3月)以降の扱いになると思われます。
なお、送付した陳情と添付した意見書案の要旨は以下の通りです。
◇泊原発の再稼動に同意せず、廃炉入りを求める意見書の採択に関する陳情
 【陳情の趣旨】

福島原発事故は、いまだに事故原因は究明の途上で、約12万6千人もの県民が避難生活を強いられたままです。…原発と人間社会が共生できないことは明白です。
   ところが、安倍政権は、九州電力の川内原発を突破口に、規制基準に適合と判断された原発を次々再稼働させようとしています。
もし、泊原発で福島原発と同じような事故が起きれば、後
志管内はもとより北海道全域に深刻な影響を及ぼすことは必至です。後志管内は、基幹産業である第一次産業も観光業も壊滅的打撃を受け、場所によっては何十年間も人が住めない地域に一変することさえありえます。道と泊原発周辺市町村は、毎年泊原発で重大事故が発生したとの想定で原子力防災訓練をやっていますが、作成された避難計画は実効性のあるものでなく、実際に事故が起きたら被曝を避けられないものです。
このような状況をふまえ、泊原発の再稼働を容認せず、電
力不足が起きていない今、直ちに泊原発を廃止し、廃炉に 進むよう求める、あるいは、少なくとも原発から30キロ圏内の13町村の同意及び被ばくなしに避難できることが検証された実効性ある避難計画であることを条件とすべきと考えます。

 ◇泊原発は再稼働せず、廃止・廃炉入りを求める要望意見書(案)】の要望事項
   1、人間社会と共生できない原発は、電力不足がおきていない今、再稼働せず、
      直ちに廃止し廃炉のプロセスに入ること。
2、泊原発の再稼働の地元理解については、少なくとも泊原発から30キロ圏内の
   13町村の同意を条件とすること。
3、30キロ圏内の避難計画について、被曝ゼロの実効性の検証なしに再稼働を行わ
   ないこと。
電源開発の大間原発審査申請に抗議し、
直ちに建設中止を求める
   道原発連 ― 17日、北村雅良社長宛てに抗議文を送付
 電源開発(株)が16日、大間原発の建設について原子力規制委員会に適合性の審査を申請した問題について、
道原発連は17日、本社の北村雅良社長宛てに左記の抗議のFAXを送付しました。
【抗議文】
大間原発の規制基準への適合性審査申請に厳しく抗議する

   貴社が12月16日、函館市や道南住民の声を無視し、原子力規制委員会に大間原発の規制基準への適合性審査を申請した暴挙に厳しく抗議する。
   そもそも大間原発は、破たんが明白な使用済み核燃料を再処理し、産生されるプルトニウムを再利用するフルモックス原発であり、実証試験も行わないまま商業用原発を建設すること自体、あまりにも無謀であり、その危険性は計り知れない。貴社の暴挙に重ねて厳しく抗議するとともに、ただちに建設を中止するよう強く求める。


2014年12月17日      原発問題全道連絡会


【原発をなくす地域の会】の活動紹介
毎月学習講演会を開催 ~ 「原発やめよう!登別の会」
11月は「福島原発事故の今と
大飯原発訴訟判決の意義」
         鈴木好夫代表(室蘭工業大学名誉教授)を講師に30人が参加
 「原発やめよう!登別の会」が発足したのは2012年5月。以降毎月学習講演会などを開催、その都度結果を知らせる会のニュースを発行しています。12月7日発行のニュースは第31号です。このニュース第31号に掲載の11月の学習講演会の模様を紹介します。


 11月29日、登別市民会館において「原発やめよう!登別の会」の11月学習会「福島原発事故の今と大飯原発訴訟判決の意義」が開催され、参加者の30名でした。
講師の鈴木好夫代表は、第1部で「福島原発事故の現状を考える」と題して、まず、原発避難自殺訴訟判決の内容を説明し、この判決が個人の問題にとどまらず原発差止訴訟にまで踏み込んだ重要な意義を持っていることを話されました。
次に、汚染水問題が今、最大の焦点になっていることを事故後の時系列に沿って振り返り、いかに東電と政府が出鱈目な対策をしているかを明らかにしました。汚染水問題の切り札と言われた「棟土壁」問題も莫大なお金を投入して最近、失敗に終わったことも触れました。この部の最後に廃炉計画の現状と問題点を話されました。
休憩をはさんで、大飯原発訴訟差止判決の判決要旨が配布され、その重要な意義を6点にわたり説明し、この判決に対する各界の反応を紹介しました。
最後に、最近の日本を襲っている自然災害(地震、火山、異常気象など)の頻発の危険性に触れました。
参加者からは「分かりやすかった」「大飯原発訴訟判決が最高裁で覆されないよう、私にできることをしていきたい。いつもたくさんのことを学び有難う」「国民が本当にかしこくならなければ。為政者や企業の上部の人たちのモラルの欠如に腹が立ちます」「こんな素敵なお話しの聞ける会、もっともっとPRしなければなりませんね。この会は登別の宝」などの感想が寄せられました。