2014年9月25日木曜日

原発問題連絡会ニュース第252号 2014年9月20日

「ストップ川内原発再稼動!9・28全国集会」成功へ支援と激励の行動を広げよう!

 
 安倍内閣の原発再稼働の暴走を許さない焦眉の緊急課題が、川内原発の再稼動をストップさせることです。9・28全国集会に支援と激励の行動を道内すみずみから広げましょう。全国集会の日程と開催場所、主催団体と連絡先、賛同募金送付先などをお知らせします。
― 集会への代表派遣や激励のメッセージ、賛同募金などにとりくみましょう ー
 ◇日時   9月28日(日)13:00~14:30(デモ14:30~16:30)
 ◇会場   鹿児島市天文館公園
 ◇主催     ストップ再稼働!3・11鹿児島集会実行委員会
          連絡先:〒892―0873 鹿児島市下田町292―1
         電話:099―248―5455 FAX:099―248―5457     
           メール: info@nanpou.com

 ◇賛同募金送付先  ▽郵便振替 口座番号 01780―7―137859

「原発再稼動の暴走を許さない全国交流集会in宮城」(9月7日)

18都道府県から186人 ~ 伊東代表の問題提起と集会アピール採択

 今年の全国交流集会が9月7日、女川原発が立地する宮城県内で松島町松島文化観光交流会館を会場に開催され、18都道府県から186人が参加、伊東達也筆頭代表委員の問題提起を受け12人が発言、発言のまとめに続いて集会アピールを確認しました。最後に、来年の交流集会を青森県で開催することを確認し合って閉会しました。主な発言の概要を紹介します。

福井県・奥出さん:金曜日行動を毎週午後6時から7時半まで県庁前でやってきた。一方、早朝7時半には避難した人がサイレント宣伝をやっている。正午12時から13時には西川知事に物申す宣伝も行われている。15時には、さようなら原発スクーターデモ行進も毎週行われている。年1回3・11メモリアル集会を開いてきた。こういう中から「署名をしよう」と言う声が出て、福井県民署名をやろう、17団体で実行委員会をつくろう、目標は20万筆にしようーとなった。20万筆は、かつて“もんじゅ”裁判で20万筆集めた経験があるもの。外国語にもして世界にも広めようと話しあっている。
 いわき市・渡辺博行市議:福島第一原発の労働者の状況は、ピンハネと使い捨てがますますひどくなっている。3月に死亡事故があった。これは基礎の補強工事だったが、土木工事をやったことがないのに入札で安いところに請け負わせた中で起きた。危険手当は、東電は2万円出すと言っているが、実際には2千円か3千円。労働者はがっかりしている。作業員が“免震重要棟をぶっ壊してやる”というのを必死で止めたということも起きている。東電交渉もやっているが改善されない。こういう中で、9月3日に危険手当を要求して原発労働者が提訴した。これまで「他言しない」という念書をとられていてしゃべらなかったが、やっと勇気をもって立ち上がる人が出て来た。提訴日の9月3日の夜の報告集会には会場いっぱいの100人が参加し、「事故収束のため頑張ります」と挨拶し拍手が起きた。支援する会も立ち上げたい。10月26日の次回公判時に立ち上げたい。支援して下さい。
 宮城・泉区西部の会・広畑さん:72名の呼びかけ人で発足。住職や牧師、歯科医などなど多彩な顔ぶれ。会が出来て丸2年、延べ313名が加入。原発反対署名は泉区西部の住民の過半数9600筆を集めた。原発反対署名は楽しい。声かけてくれるし、訴えた7割が署名してくれ対話にもなる。
 鹿児島・川内市議・井上さん:川内原発1、2号機の再稼動が狙われている。9月10日に審査書発表し、1カ月後に県民説明会行い、知事と市長の判断…と続く。反対の世論が大きく年内再稼働は微妙となっている。大きい問題が未解決だ。「毎日」の火山学者対象のアンケートに答えた学者50人のうち29人が川内原発は巨大噴火の被害を受けるリスクがあると言い、19人は再稼動すべきでないと答えている。市長は、「学者の間の意見は分かれている」というが大勢は反対だ。地震については、政府でも九州電力の調査は出鱈目だと言っている。避難計画について、県知事は10キロ圏以遠の要援護者の計画は立てないと言っている。しかし、住民団体が取り組んだアンケートでは、「避難計画は十分」はゼロ、「要援護者は安全に避難できる」はゼロ、市民アンケートでは再稼動に80%が反対。ところが川内市長は、選挙で当選したのだから、「安全が確認されたら再稼動する」という公約を支持してくれたのだと居直っている。いちき串木野市(人口3万人)では、住民過半数の署名を集めている、「あいら市議会」では「廃炉にすべき」意見書を採択。8月31日の県民集会には1000人も集まらないかと言われていたのに、1800人集まった。9月28日の天文館公園の全国集会に全国から応援に駆け付けていただいて再稼働を止めたい。
 宮城連絡センター・中島さん:東北電力は、女川原発2号機の適合性審査を申請した。新潟県のような専門家検討委員会の設置を求めた。「設置する」となったが、人選を巡って混乱している。まともな避難計画はつくれていない。再稼動を止める住民投票をやれないかを検討している。女川町では住民の過半数の署名を集めている。女川原発は、廃炉訴訟を起こしていない唯一の原発。その理由は、弁護士が「裁判は弁護士がやる、原告はそれに従ってくれ」などというので、「そんな裁判があるか」と合意できないため。今問題になっているのは、最終処分場を宮城県内の3市町につくるという問題で、これについて住民投票がいいかどうかよく検討してほしい。

 全国センター・伊東筆頭代表委員のまとめの発言:12人が発言。それぞれ意義深いものと感謝したのち、①原発労働者の新たなたたかいの芽が出てきたことは喜ばしい。除染労働者についても福島県労連が視野に入れてきていることは重要だ。②福井地裁判決にある「この判断を避けることは裁判所に課されたもっとも重要な責任を放棄するに等しい」。これは首長にも議員にも問われていると受け止めるべきものだと述べ、原発・核燃サイクルから撤退の住民合意形成に力をつくし、再稼働への暴走にストップかけよう―とよびかけました。

9・3泊原発の再稼働問題を考える学習講演会に60数人 

― その2 泊原発の地震への備えは大丈夫か ―

 原発問題全道連絡会は9月3日夜、泊原発の再稼働問題を考える学習講演会を札幌エルプラザで開催しました。講演会には、主催者の予想を大きく上回る60数人が参加、講師の清野政明さんの80分に及ぶ「大飯原発運転差し止め判決と地震問題―泊原発の地震への備えは大丈夫かー」と題する講演を熱心に視聴していました。

日本の特徴―多様なプレート運動で地震活動が集中・世界一危険な場所


清野さんは、原発の敷地や近傍に破壊的地震が発生するかどうか?と問いかけ、日本列島の特徴について、パワーポイントで日本付近は、多様なプレート運動のあるところで、太平洋プレート、フィリピン海プレート、ユーラシアプレートの間で両方から押されて日本列島が出来たとされ、今も押され続けており、その結果地震活動が日本に集中、日本は地震では世界一危険な場所になっていると指摘、プレート境界地震、海洋プレート内地震、内陸地殻内地震のいずれも起きる場所だと強調しました。

内陸地殻内地震―活断層があるところでもないところでも発生する


 そのうえで清野さんは、内陸地殻内地震の特徴について、2つのプレートに挟まれたプレートへの力によって発生し、地殻内の浅いところ、おおむね地下25km以浅で大きい地震被害がM7・3程度を上限に発生する(ただし例外もあり、1891年濃尾地震はM8・0)。また、内陸地殻内地震は、活断層が動いて発生する場合だけでなく、活断層がないか認知されていなかったところでも発生するとし、M6・8~7・3の地震が1995~2013年の19年間に8回発生している、泊原発付近でも地震は頻繁に発生しているとして、日本付近の地震の発生分布を、真っ赤に印字された分布図(M3~M9)で鮮明に示しました。

 1~10万年に1回というが、日本では10年間に4回も発生している


 最後に清野さんは、基準地震動以上の地震に出会う確率(超過確率)について、九州電力川内原発の申請書では発生確率は1万年~10万年に1回程度だとしている(原子力規制委の審査書案)が、「全国の商業用原発施設は17カ所、実験用を含めても20カ所余りに過ぎないが、10年間に4回も起きるとは一体どういうことだろうか」と主張する地震研究者の論文を紹介し、原子力規制委審査書案の問題点を明らかにしました。

環境省、「除染は個人被ばく線量を勘案して」というが       住民からは「除染の基準を緩めるのではないか」との戸惑いの声も   



原発事故から3年半、これまで自治体は放射能による環境汚染がどの程度かの目安となる「空間放射線量率」を測りながら除染をしてきました。それは国が除染地域を指定するにあたり、当面の方針として空間放射線量率が毎時0・23㍃㏜(シーベルト)以上の地域に限定したからです。除染は何マイクロSvになるまで行うのか、という除染の基準は決まっていないので、自治体はとりあえずどの地域も毎時0・23マイクロSv以下になるまで除染したいと考えたようです。そういう意味では毎時0・23マイクロSv以下というのは除染の基準としての役割も果たしている、ということになります。
国は一方で被ばくに関する長期的な目標も決めています。それは、一人ひとりの被ばくの程度を表わす「個人被ばく線量」が年間1㍉Sv以下になること、というものです。そして除染地域指定の基準にした毎時0・23マイクロSvは、そこに住んでいる人の個人被ばく線量が年間1ミリSvになるように計算して決めた空間放射線量である、と説明してきました。
さて、国・福島県内4市は除染と復興について中間報告を発表しました(8月1日)。それによれば、自治体が進めてきた個人線量計による住民一人ひとりの被ばく線量の測定結果を整理してみると、「居住地域の空間線量率(平均)との関係では、空間線量率が毎時0・3~0・6㍃Sv程度の地域においては、個人の年間追加被ばく線量は平均的に1㍉㏜程度となっている」ことがわかったとのことです。そして地域の除染を実施する際は、こうした知見を踏まえて個人の被ばく線量を勘案することが望ましい、としました。具体的にはその地域の個人の被ばく線量を踏まえて作業の実施の有無を判断し、除染作業を重点化することで作業効果およびスピードの向上をはかる、というものです。
このような新しい方針のもとでは、空間線量率が毎時0・3~0・6マイクロSv程度になればもう除染しなくてもよい、となりかねません。新聞報道によれば、現地では事実上除染の目安とされている毎時0・23マイクロSvをゆるめるのではないかと心配する声が上がっているとのことですが、無理からぬことです。もとより事故による被曝を強いられる謂れはないし、放射能汚染も被曝も少ないに越したことはないのです。
なお、中間報告では個人の被ばく線量と空間線量率の関係について検討すべきことをいくつか挙げており、環境省も報道発表(8月1日)で除染地域指定の基準として毎時0・23マイクロSvは変更するものではない、としています。(石崎健二)