2013年1月20日日曜日

原発問題連絡会ニュース第232号  2013年1月20日

原発問題連絡会ニュース 第232号



前年度の運動の到達点を力に、今年も一致点での共同を前進させ原発からの撤退、核燃サイクルからの撤退の                    道民の合意形成を広げよう
道原発連が第22回総会(1月12日)―経過報告、運動方針を確認し、新役員を選出

開会挨拶する太田勤代表委員 
 道原発連は1月12日(土)、札幌市内で第22回総会を開催し、前年度の運動の経過報告、新年度運動方針、会計収支報告、新年度会計予算案の諸議案を拍手で確認、21人の新理事を選出しました。代表委員には、大田勤、菅野一洋、畠山和也の3氏、事務局長には米谷道保氏、同次長に石崎健二、佐藤久志、橘晃弘、村井秀一の4氏、常任理事に7氏をそれぞれ再任しました。
なお、総会では最初に、紺谷克孝函館市議(理事)から「大間原発と道南のたたかい」と題する特別報告【2面に要旨】、菅野一洋代表委員から、第26回原発問題住民運動全国連絡センター総会・交流集会の報告(原発連ニュース第230号参照)をうけました。

「原発のない北海道を」道民署名12万筆余、10・13さようなら原発1万人道民集会に1万2千人など、
            原発ゼロめざす道民運動が前進
     ― 国民大運動実行委との共同を軸に前年上回る運動 ―                2012年度の経過報告(要旨)
10・13さよなら原発全道1万人集会(12年10月13日)

 2012年度の活動の経過報告では、この1年間、国民大運動実行委員会との共同の運動を軸に原発ゼロをめざして多彩な活動に取り組み、①「原発のない北海道を」道民署名を1月11日までに12万1千6百筆余集約して道知事に提出、②泊原発の再稼働を許さない運動として、30キロ圏内の後志管内13町村への申入れ活動(2月)、道内全市町村議会への意見書提出を求める陳情提出と40市町村議会での意見書提出、北電と道への2回の申入れ、③さようなら原発1000万人アクション北海道実行委員会による札幌や岩内や泊村での集会、国民大運動との共同による独自集会(9・8、11・11など)、首都圏反原発連合による毎週金曜日の首相官邸前行動に呼応する札幌での道庁前行動や旭川の買物公園行動など、④フクシマ現地調査団派遣と報告集会、⑤実効ある原子力防災計画づくりの関係町村への働きかけと道主催の原子力防災訓練に対する監視活動(2月と10月)とその重要性の確認、⑥初めての大間原発ツアー(5月)と大間原発建設中止を求める緊急行動(10月以降)とオール道南の運動の前進、⑦幌延を核のごみ捨て場にさせない立場で実施した使用済み核燃料の処分問題学習講演会(10月)、⑧総選挙でのアピール発表、⑨住民運動の主体形成の取り組み(加盟団体1増、個人会員9人増、情報誌「げんぱつ」読者7人増)など、文字通り、前年を上回る多彩な運動を前進させてきました。こうした到達点を、今後の運動の前進に生かすことが重要です。
同時に、昨年12月の総選挙で復活した自公政権のもとで、原発再稼働、新増設、世界への輸出推進などの逆流の動きが強まっている反動的情勢に立ち向かい、原発からの撤退、再稼働反対、即時ゼロ、核燃サイクル中止を求める一層大きな道民運動の構築が待ったなしの課題となっていることを直視する必要があります。



自公政権、財界・原発推進大企業の逆流に立ち向かい、
 フクシマとの連帯強化、泊原発再稼働反対・廃炉、
 大間原発中止、幌延深地層研究センター廃止、再生可能  エネルギーへの転換をもとめる道民運動の
               新たな発展をめざそう
― 引き続き、一致点での共同を軸にさらに前進を ー 
               2013年度運動方針(要旨)


2013年度運動方針では、昨年末復活した自公政権の反動的逆流との攻防戦で反撃し、(1)全国センターのメイン・スローガンー「原発からの撤退」「核燃料サイクルからの撤退」の合意形成をめざす、(2)北海道の緊急要求―①泊原発の再稼働許さず、廃止・廃炉に、②大間原発建設中止、③幌延深地層研究センターの廃止、④原発依存をやめ、再生可能な自然エネルギーの本格的普及、⑤フクシマ復興・復旧と福島県民と避難者への連帯と支援、⑥泊原発と大間原発の海底活断層の再調査と、万全の耐震対策、⑦住民参加による実効性のある原子力防災計画の策定と実動訓練による検証、⑧原子力安全確認協定を地元4町村との安全・環境保全協定と同じにせよーの実現めざす、(3)具体的運動は、国民大運動実行委との共同を軸に道民運動の前進をはかる、(4)当面、①新道民署名の推進(現行の署名の要求項目に、福島支援を加え、5項目にする)、②毎週金曜日の行動を広げ強化する、③フクシマから2周年の3・11は、さようなら原発のよびかけにこたえ、3・9いわない集会と3・10札幌中心街占拠行動、3・11さようなら原発札幌集会(かでる2・7ホール)などを節目の集会と位置づけ成功させる、④4・26や9・11の節目の行動を計画する、⑤大間原発中止をもとめる道民集会の検討と2回目の大間原発ツアー、⑥幌延深地層研究センター廃止を求める活動の推進、⑦原子力防災計画策定に関し原発から80キロ圏の市町村へのキャラバン活動、⑧国や道、市町村、市町村議会への働きかけ、⑨道内各地の「原発をなくす会」(仮称)との連帯と連携、⑩劇映画「渡されたバトン~さよなら原発」の上映会成功、(5)原発連の主体形成―①加盟団体5団体以上、個人会員20人以上増やす、②原発連ホームページ開設と情報収集、情報提供活動推進、(6)7月の参議院議員選挙でアピール発表し、政策資料提供、などの諸活動を推進します。
今年はフクシマから2周年の年です。「フクシマを忘れないでください」の福島県民・避難者の声をまっすぐ受け止め、自公政権の反動的逆流を押し返し、フクシマの復興と復旧の活動との連帯と支援を強め、今年を原発のない北海道―原発ゼロの北海道―の実現をめざし、道民運動をさらに大きく前進させる年にしましょう。

今年正念場迎える大間原発建設中止
              のたたかい
    第22回原発連総会で紺谷市議の特別報告(要旨)

 第22回総会での紺谷克孝函館市議(道原発連理事)の特別報告の要旨を紹介します。



大間原発建設現場(5月20日)
紺谷市議はまず、函館市議会が昨年12月18日の市議会最終日に、大間原発から30キロ圏内に位置する函館市が、大間原発建設中止を求める訴訟の準備費用として2300万円の補正予算を可決したことについて、首長が国を相手取っての訴訟は初めてのことで、今年1~2月中に安倍政権に建設中止を申入れ、受け入れられなければ訴訟に踏み切るというもので、安倍政権が建設を中止しないのは明白なので、訴訟は避けられない事態になっていると報告しました。
 ついで紺谷市議は、昨年末の衆院選挙では、小選挙区8区の候補者全員が大間原発建設反対を訴え、争点としては不明確だったが、訴訟の会のアンケートに、自民党候補は「自分が国会議員になったら裁判でなく政治決着させる」と回答、選挙後は「道内選出自民党国会議員と相談していく」としつつ、新年会では大間原発建設問題には一切触れておらず、公約を守るかどうかが問われていると報告。
 一方、函館の工藤市長の原発に対する態度は、昨年6月議会では、むつの中間貯蔵施設は必要ではないかと答弁していたが、12月議会では六ケ所再処理工場、大間との関連でむつの中間貯蔵施設を認識し、プルサーマル計画は危険だ、下北半島を核のごみ捨て場にさせてはならないと述べ、無期限凍結から反対に変わりつつある、さらに市の訴訟の弁護団10人のうち7人は大間原発訴訟の会の弁護団でもあり、これらの弁護士と同じ方向になりつつあると述べました。
 また、3・11以降、下北半島の住民にも変化があるとし、青森県主催の県民説明会が2011年7月以降7地域8カ所で開催されているが、むつ市での説明会では、今までは安全神話を了解してきていたが、事故になったらどこに避難するのかーなど激論が交わされているし、昨年10月1日に電源開発株が大間原発の建設工事を再開して以降は、大間町は建設推進だが、隣接する風間浦村と佐井村は、避難道路が整備されない限り建設に賛成しないとの態度に変化してきていると報告しました。
 紺谷市議は、道南での運動について、昨年5月に36団体の参加で「原発をなくす道南連絡会」を結成して活動を開始し、9月22日には、下北ツアーと講演会を青森・下北と道南の共同で開催(講師は小田清北海学園大教授)、11月11日には、全国に呼応し、下北で400人(青森県労連と道南から参加)、函館でも400人で抗議の集会とデモを成功させるなど、反対が鮮明になる情勢になってきたと報告しました。


 原発問題全道連絡会と原発問題後志住民の会は1月18日、後志管内16市町村(泊原発の地元4町村のぞく)と道と北電が1月17日に締結した「泊発電所周辺の安全確認等に関する協定書」について、以下の声明を発表しました。
 
【声明】新「協定書」は、内容も住民合意も不十分
   ―住民と地域の安全を確保する立場での見直しを
              2013年1月18日    原発問題全道連絡会
                            原発問題後志住民の会 
  
 北海道と後志管内16市町村、北海道電力の三者は17日、「安全確認協定書」を締結しました。ひとたび過酷事故が起きれば、その被害が広範囲に及ぶことは福島原発事故からも明らかであり、泊原発周辺の4町村にとどまらず住民の安全を確保するための自治体と北海道電力の取り組みは、当然のことです。
 しかしこの「協定書」は、4町村が北海道・北海道電力と結ぶ「泊発電所周辺の安全確保及び環境保全に関する協定書」と比べて、内容においても不十分であり、住民合意も尽くされていないという問題があります。          
 新「協定書」には、4町村「協定書」にある「原子炉施設や関連主要施設を新増設し、変更し、又は廃止しようとするとき」の「事前了解」や、「公害防止措置を講ずる条文」などの安全確保・環境保全に関する条項がありません。また「新燃料の輸送計画の事前連絡」は事後報告にとどまっています。
 過酷事故が周辺自治体へ及ぼすであろう被害を考えれば、4町村と区別することなく同内容の「協定書」とすべきであり、そのような考えを持つ自治体もあることを重視すべきです。
 住民合意を尽くす点でも、16市町村の中には住民説明会を求める声が議会や住民から上がっている自治体もありました。過酷事故の際に被害を受けるのは住民であり、内容とともに手続きについても、拙速に進めることがあってはなりませんでした。
 このような事実と経過をふまえ、この「協定書」をゴールとするのでなく、文字どおり住民と地域の安全を確保する点から見直しを進めるのが当然です。また、この「協定書」をもって泊原発再稼働の「露払い」とするようなことは言語道断です。北電・川合克彦社長は「再稼働がいつになるにせよ、この手続きは必要だった」と、協定締結が再稼働に向けた一歩になるとの認識を示したと報じられて(「道新」1・17付)いますが、その認識は改めるべきです。
 原発問題全道連絡会と原発問題後志住民の会は、実効性ある安全確保対策を、住民合意で進めることを強く求めるものです。安全確保の大前提として、泊原発を再稼働させずに廃炉に進むよう、政府と高橋知事が決断すべきことを重ねて求めます。